葉の裏に生えるコブ

葉の裏に生えるコブ

奇妙な木の葉に出会う。卵のようなものがついた葉だが、よく見れば植物自身でもある。葉がこんなコブをつくる理由は何か。実は、これは虫が卵を産んで、植物がその部分で異常な反応をみせ、こうなっている。「虫えい」ともいう。植物自身が卵を守る格好になっている。しかし、このコブが地に落ちれば、植物は虫の卵を自ら排除したことになる。落ちなければ、植物の性格を利用して、やすやすと生育場所を手にしたことになる。コブを触ってみると、そうたやすく落ちそうもない。コブの中の虫が、この植物の生育を促進あるいは保護していれば、自分たちの子孫をつなぐ場を、自ら保持管理していることになる。コブを地に落として木の栄養源にしているとすれば、木のほうがしたたかとなる。実際、植物に虫こぶをつくらせる虫は、孵化しても、羽を持ってほかの木に移動する種のものばかりらしい。いうなれば、その木の葉を食料にして食い尽くすというわけではないらしい。なんと、こんな昆虫もいるとは、昆虫世界も深いものがあるようだ。

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