与那国島や宮古島ではカラスがいない不思議さが言われているが、与那国を除く八重山ではかなりの数のカラスが繁殖しており、夕暮れになると、ねぐらへ帰るときに、集団をつくるなどするため、各地で目立っている。サンコウチョウなどの小鳥の雛を食べることで、かなり嫌われている。11月14日は、サビチ洞の近辺に約300羽以上のカラスが電柱に止まっていた。ねぐらへ入るときに、ひとまとまりでいれば危害をすばやく察知できるということだ。このほか大浜のフルスト原の周囲にも多数が終結する。そんな中、渡り鳥のミヤマカラスが平田原に出現して、十数羽がかたまりになって餌を食べていた。周囲にはハシブトガラスなどの留鳥が近づいて、何しに来たといわんばかりにプレッシャーをかけるもどこ吹く風。やがて根負けしてそそくさと去っていった。しかしミヤマガラスは人の気配に過敏で、気がつけばあっという間に移動する。くちばしが白い変わったカラスだが、特別好きな愛鳥家は少ない。本来は大きな群れをつくり、九州で多数越冬する渡りのカラスだが、八重山にはそうたくさんは来ない。ところが今年は、増ええている。大集団になじめず集った変わり者カラス軍団の八重山訪問といったところか。