2万年前の人骨が出た石垣島白保の竿根田原洞穴は、発掘調査の結果、かの人骨周辺に4層の地層が順序よく積み上がっているのを発見。更新世の地層(2万年前の人骨が出た地層)の発掘調査に入る以前に、2層目、3層目で多数の生活跡が発掘され、文化財としての価値ある遺跡としての評価ができる場所であることが、発表された。
これは、10月14日におこなわれた第2回白保竿根田原洞穴総合発掘調査委員会で公表され、今後の発掘調査の方針が変更されることが確認された。
これまで、洞穴に雨水とともに流れ込んで貯まった人骨として予測され、発見場所からの遺跡跡は、研究者の間では重視されていなかった。というのも、やはり新空港の建設現場であれば、それへの配慮もある。出てくる遺物への期待は、雨水で流れ込んだ品に過ぎなかった。ところが、4層にも渡るきれいな地層が残っていることが発見され、研究者にはこの場所が遺跡として評価できるとともに、今後は、4層の先にも5層、5層と期待が持てる場所となる。15日にも同委員会は開催され、今後の遺跡の現地保存について議論され、今回の目標であった2万年前の地層まで至ることができなかったことを、どう処置するかが話し合われた。委員会側は、調査の日程が10月一杯で切るということでなく、保存状態維持のためにも、階段状の発掘を4層目まですいっかり仕上げて、保存に入ることを要請。
県側は、難色を示しながらも、調整することを述べていた。