クリアラン船が激減

クリアラン船が激減

 石垣港へ入港し、24時間以内に出航して、中国あるいは台湾の港へ向かう。そんな台湾の船や中国の船に名づけられたクリアランス船。彼らは、品物を日本経由にするためだけに、石垣港の投錨地区に碇を降ろす。台湾と中国が、その物質の移動を、移入か輸入かで争うよりも、外国経由にしてしまえば、問題はなくなる。かくして、クリアランス船という名の幽霊輸出入船は、増え続けてきた。面白いのは対中関係の好転で来年こそはクリアランス船はなくなると、何度も推察し裏切られてきた。平成20年に馬政権が発足してようやく三通政策(通商、通航、通郵)が本格化。海運では中国63港、台湾11港が開港。翌年には週270便の航空便が定期化。こうなると石垣港へのクリアランス船が本格的に変容。クリアランス船の年間入港数は平成18年にピークを迎え、その数5637隻。これが減り続けて平成21には1459隻。平成22年の1月から6月では591隻でまだ減り続けている。今年7月の石垣市役所港湾課の入港許可船の数は73隻で、明らかに減っている。今年6月29日に台湾中国間で実質的な自由貿易交渉とされる協定が結ばれ、中国が譲歩。500品目の関税が引き下げられ、台湾と中国の物の移動が直結し続けている。かくして、石垣港の投錨地の混雑は完全緩和され、安全な石垣港が生まれてきた。いつも、海図を持たない不慣れなキャプテンによる大型貨物船入港にはらはらドキドキ。竹富島と石垣島の間に泊まっていた異様な光景は、過去のものになろうとしている。ただ、直通できる船は、中国・台湾籍の船に限られているために、まだしばらく若干の数は石垣港に入港する模様。となるとリスクは変わらないか? 前回、やいまNEWSでクリアランス船のクリアと題した記事は行き過ぎで、この自国籍の船を増やす政策が進められている間は、なくならない模様。

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