がん情報を離島へ インターネット依存を打破

がん情報を離島へ インターネット依存を打破

 若く健康な時、人は「がん検診」に抵抗があるのは、宣告された時の怖さゆえだ。しかし、がんのことを詳しく知れば、怯える必要はない。ただ数多くの離島をかかえる沖縄県であれば、伝えることが難しい。離島を直にめぐり、がんの最新情報を提供する。そんな取り組みが県内離島ではじまっている。「がんかわら版出前屋」プロジェクトは、がんに関する基礎知識を県内離島に広めるために、直に離島に出向いて情報を提供するもの。インターネットが普及しても、やはり大事なのは、人との接点だ。8月5日午後10時から小浜島金城商店の店先で、40冊のがんに関する冊子を並べているのは沖縄がん患者ゆんたく会の幹事、三木雅貴さん。これは、昨年12月に日本医療政策機構市民医療協議会がん政策情報センターが地域発がん対策市民協同プログラムとして「がんかわら版出前屋」プロジェクトを認め、採択。同プロジェクトは100万円の補助を受けてすでにその活動を今年2月からはじめている。第一クールとして、南北大東島・宮古・八重山で一通り巡回。八重山では与那国、西表、石垣島、波照間、黒島、小浜と、各離島へ出向いてがんに関する冊子を広げて、関心有る人へ無料で直に手渡している。今回は第2クールで、ちょうど小浜島のこの日の出前が最終。この日、金城商店に訪れた男性が立ち寄って、「私も以前ポリープが見つかって、手術をしたことがある。その後も心配です」と、この日、冊子を手に、三木さんからアドバイスを受けていた。三木さんによると、次回第3クールでは、いよいよ「がんかわら版」を発行する予定で、6号まで計画されている。1号はがんとは何か。2号ではどうしてがんができるか。3号ではどう防ぐか。4号、家族・身内で見つかった場合。5号、がん発見で病院との対応。6号、回復後の相談先。三木さんは、「がんは早期に発見されれば、普通に直る病気です。それを放置して手遅れになると、死を招く病となる」多くの人が正確な情報を持って、疑わしい場合、早期受診に踏み切って欲しいと、早い時期に発見することの大切さを訴えていた。

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