「あがろうざ」とは、日が上がる場所、東側の場所という意味で、石垣市街地の登野城地区のこと。7月3日午後7時半から登野城5町内が主催して行われる、今年で3回目となる「マフタネーのアコウ木ぬ下ぬ『あがろうざ節』を唄う集い」が開催された。地域住民および「あがろうざ」ファン約300人がマフタネーのアコウ木の下を取り囲んで、次々に歌われるあがろうざ節の、味ある歌声を楽しんでいた。歌の内容は、親の変わりに子守をする女の子らを唄ったもので、腕が痛くなるほど子守をするから、将来、立派な大人に成長して出世してくださいと、子守する娘が抱く子への祈りを唄うもの。マイクの前に立つ人は自慢の喉で聴衆を魅了していた。舞踊の稽古道場の中学生の歌声、またサックスやハモニカで演奏する人、またあがろうざ節の舞踊を披露するグループなど実に多彩な舞台が繰り広げられた。なかでも登野城ユンタ保存会によるあがろうざユンタでは、メンバー16人が暗い舞台で楽器をともなわない声だけのあがろうざユンタを手拍子に乗せて力強く歌い上げ、大昔の八重山の原風景と思わせる風情を感じさせた。