5月22日午前1時から石垣市立図書館視聴覚室で県立図書館八重山分館の存続を求める会による離島の図書館を考える集会が開催され、分館存続に関心有る郡民約50人が詰めかけた。
VTR「図書館へ行こう」の上映ではじまった集会は、まず山根頼子さんが同存続を求める会のこれまでの経過を報告。2007年の11月1日に同分館の廃止問題が新聞で公表された衝撃から、翌年5月に集会を開催して存続を求める決議を採択し、関係各所への存続要請を実施。関係機関からの要請もあって2010年1月21日に県教育長が意見交換会で「廃止も存続もしない」発言が出て、それまでの廃止が前提の話し合いから一歩進展。3月には、平成22年第1回沖縄県議会で沖縄県立図書館八重山分館の存続に関する陳情8件が採択され、県議会は存続の方向へ。しかし、この後の県による協議会などの設置の取り組みは3ヶ月たっても行われないままにあり、微妙な情勢。
このあと同求める会の大田静男代表世話役が、離島図書館から見えるものと題して基調報告。八重山分館が八重山通俗図書館が前身でスタートし、97年目にあることを紹介。もともとは県の施設ではなく、八重山の郡民の図書館であることを強調していた。
大田氏は、図書館がどうあるべきかを図書館職員や利用者と意見交換をして、新たな図書館を模索したいと述べ、情報が島の発展の基礎になるとする発想がかなえないのか。その行政マンらの姿勢に不信感をあらわにしていた。
このあとシンポジュームが元分館長の砂川哲雄氏をコーディネーターとして文庫連の潮平俊さん、竹富町教育委員会の南風原聡子さん、同会世話人の大田静男さんでおこなわれ、様々なアイデアが飛び交った。
情報は氾濫しがちな現代にあって、洞察を効かせられる情報が、どういう場所にあり、どんな発想で情報をキャッチするのが有効であるかが、今後の情報を扱う上での重要なポイントになる。そういう意味でも図書館の存在は重要となる。県は、廃止も存続もないと明言して、建物の老朽化を理由に廃館を模索するかに見える。地元は建物がなくともいかに機能を残すかに、今後の取り組みの形を思い描いている。