八重山文化研究会(会長)の定例会が4月22日午後7時から石垣市文化会館一階会議室で開かれた。
同会では毎月第4木曜日に、講演がおこなわれており、関心有る市民に参加を促している。この日は石垣博孝氏と小浜勝義氏が各々赤馬節について講演。「八重山民謡<赤馬節>について」(石垣博孝)と「宮良村に伝わる赤馬節」(小浜勝義)の2題を、この日集まった会員および一般市民17人が、メモを取りながら真剣に聞き入って、赤馬節が生まれた当時の背景や状況を想像し、洞察を深めていた。八重山では一般的に座開きとして知られる赤馬節は、八重山では有名な民謡。民話の「赤馬」で主人公が即興で歌ったとされるもの。民話のあらすじは、宮良の駿馬が琉球王に献納されたが王を乗せないために責任問題が発生。家来はその駿馬を育てた大城師番を首里に呼び、駿馬ぶりを披露。王はその見事な馬の足捌きに驚き、罪を許したとされるもの。
さて、このあとは記者の余談だが、果たしてこのことで民謡にまでなるか。どこかぴんと来ない。忠犬ハチ公ではないが、主人にしか尽くさない馬の誠に感動するか・・・。絶対服従の王を前にしても揺るがない馬。馬の主人に対する忠誠心から王は清々しさを感じたことと、そこで披露された人馬一体の技に対する深い敬意。そこには馬を乗る人にだけわかり得る共通の価値があるのではないか。そこを「馬の手綱のように心を引き締めて人は歩くべし」という教訓として宮良の住民はとらえて、これを赤馬精神としている。王への無批判な服従ではなく、人としての崇高な価値を「心引き締め」ることで見失わない。そんな教訓を意味しているのではないか。小浜さんはそこの価値を中国の孔子の5常5倫ととらえて紹介していた。現代人には忠誠心は上意下達のイメージで終わる傾向がある。王でさえも見事な人馬一体ぶりを見せられて心引き締めた話なのだ。緩んだところには伝わらない話としてあるところが、深いかも。