4月8日昼頃、石垣島南部に南国には珍しいナベツルが飛来して、島の愛鳥家を驚かせている。水田地帯に舞い降りて土をつつき、虫や草をついばんでいるナベツルは、周囲への警戒は強くなく、マイペースで畑や水田を歩き回って餌をついばんでいた。ナベツルは国の特別天然記念物で、環境省のレッドデータリストでは絶滅危惧2種と分類されており、シベリア南東部や中国北東部で繁殖し、冬は朝鮮半島や日本の鹿児島出水地方や山口県熊毛町などに渡って越冬する渡り鳥。八重山では、崎枝や名蔵で以前、見られたことがあり、最近では2004年1月に大浜でも確認されている。胴体は灰色がかった黒で、首から上は白く、翼の先と尾、足は黒く、頭のてっぺんには赤い皮膚の露出があるといわれています。現在は約1万羽程度しかいないといわれています。自然観察ガイドのシービーンズの小林雅裕さんによると、飛来したこのナベツルは成鳥ではなく、まだ幼鳥に近い若鳥で、迷って石垣まできてしまった迷鳥とのこと。小林さんは、「迷鳥がやってくるのは八重山に豊かな自然があるからで、彼らが元気を付けて戻れるような、豊かな自然がいつまでも島にあってほしいですね」と述べていた。