宮良橋近くのヤラブ並木が石垣市文化財に指定され、3月29日午後3時から石垣市教育委員会2階ホールで指定証の交付式がおこなわれた。江川三津恵教育長から宮良公民館と八重山土木事務所に指定証が交付され、晴れてヤラブ並木が文化財となった。宮良集落の郷土史「高宮良の由来」によるとヤラブ並木は明治2年に植えられたとある。それが事実であれば、大政奉還の次の年(1869年)に植えられたヤラブの木が、141年の歳月を経て、ここに島の文化財となったことになる。植えられるきっかけは、道の開通祝いに植樹したという。この並木は、国道390号がつくられる時に、ヤラブ並木の北側を伐採してつくられようとした際、文化財審議委員や宮良公民館から反対されたという。結局、既存の道の拡張を諦め、北側に新たに国道がつくられた。以来、国道のこのヤラブ並木の区間には、法律で定められた歩道の設置はなく、隣接する旧道が歩道変わりになった。今回の文化財指定は、文化財審議委員と宮良地域がヤラブ並木を守ったことになる。戦後、あるいは復帰後、開発を優先してどれだけ島の大木が無惨に切られたか知れないと、前津栄信氏は切られた大木を惜しんだ。当時は環境保全よりも建設が優先された時代であれば、このヤラブ並木を残そうとした当時の人々もこの日顕彰してほしかった。