「サンゴ礁学」研究成果講演会

「サンゴ礁学」研究成果講演会

 3月25日午後3時から石垣市立図書館視聴覚室で「サンゴ礁学」研究成果講演会が開かれ、サンゴ礁に関心ある市民約35人が、「サンゴ礁学」について学んだ。演題は「サンゴ礁発達の地域差にみる石垣島の遺跡分布」(小林竜太)、石垣島名蔵地区の完新世環境史と人間居住史の関係解明(ズエバ イリーナ)、水俣湾埋め立て地の景観(下田健太郎)の3題。この講演会は独立行政法人国立環境研究所が事務局をつとめるもので、サンゴという生物だけの研究ではなく、人類学や考古学など広範囲な領域でサンゴ礁を検証するもの。これは一昨年11月から文部科学省科学研究費補助金(新学術領域研究)により「サンゴと人間との新しい共生関係の構築に関するプロジェクト」がスタート。プロジェクトはサンゴ礁と人に焦点を当て、新たな学術領域として取り組まれる。 文科省の新学術領域研究は、20年度にはじまった学問領域の新興融合領域への支援を目的とするもの。よってこのプロジェクトは、生物・化学から工学、はては社会科学からなんと人文科学まで包括し、異分野連携をする。サンゴ礁を通しての全く新たな試みといえる。くわえて、サンゴの側が持つ複合ストレス下の生態系と、人の側との新たな共生・共存未来戦略を立てるという、サンゴ保全に向けた壮大な目的がある模様。 4・5年を費やして取り組まれるプロジェクトで、1年が経過。そのまだ取り組み浅い状況ながら、これまで発表可能なものが公表された模様。  「サンゴ礁発達の地域差にみる石垣島の遺跡分布」では、遺跡が出ている年代とボーリング調査で解明されているその時代のサンゴ状況を類推。当時、サンゴ礁嶺が発達した海と遺跡の関係を見て、遺跡の人々が発達したサンゴ礁へのどんなアクセスがあったかを示すなどしていた。

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