特別講演会「済洲島民の見た八重山の生活文化と民衆の記憶力」

特別講演会「済洲島民の見た八重山の生活文化と民衆の記憶力」

 2月15日、特別後援会「済洲島民の見た八重山の生活文化と民衆の記憶力」「済洲島民の歴史と人々の暮らし」が大濱信泉記念館で行われた。日本の発表者、安渓遊地教授(山口県大学)は、朝鮮の済洲に残された文献「成宗大王実録」と与那国島の「フガヌトゥ」の伝承の対比について説明し、韓国の発表者、チョン・ギョンス教授(ソウル大学)は、絵画を用いて当時の済洲の歴史と人々の暮らしや文化について話した。  (写真)チョン・ギョンス教授 1447年に朝鮮で書かれた「成宗大王実録」の中には、海で遭難した3人の青年が、言葉や暮らし、宗教や習慣のまったく違う島に漂流し、そこで助けてくれた人々の優しさや、交流についても記されている。与那国島の「フガヌトゥ」=「他の人」の伝承は、島に漂流した言葉の分からぬ3人の青年についての話しで、今でも畑仕事をする時に歌われる唄の歌詞などに残されている。この2つの伝承には共通点が多く、同じ出来事についての物ではないかと推測されている。今回の発表は、当時の与那国と朝鮮の、国境や言葉の違い、宗教を越えたお互いに対する思いやり、優しさの伝わる心温まる内容となった。

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