沖縄本島で新石垣空港のターミナル会議

 11月21日、沖縄本島で第三回新石垣空港ターミナルビル建設検討委員会が開催されました。この日、基本計画がまとめられて、全会一致で了承されました。この基本計画は第三セクターの会社へ引き継がれます。なお新会社は来年3月設立予定です。空港ターミナルは大きくしすぎないでほしい。立派にしすぎた公設市場を忘れてはいけない。与那国の焼却炉の失敗を忘れてはいけない。現況での適正規模にしていかなければ、運用で苦しむ。先行き世界経済は混迷を深めている。2013年の開港時、年間230万人、10年後は280万人と見込んで、延べ床面積1万4200平方メートルとあるが、大丈夫か。建築費は63億(旅客58億、貨物5億)と試算しているが、そんなに立派にしていいのか。宮古空港の立派さに、何か違和感を催す。那覇空港っぽい。もっと簡易な空港がいいような気がする。南の島はゴージャスだと成金ぽい。外の風景が豪華な島である。建物は添え物でいいはず。需要予測はゆっくり微増の旅客数をお願いしたい。もし、急増の要因を生めば、そこに島への参入企業が増加し、島が今以上に混乱する。不思議なのは、なぜ新石垣空港のターミナルに関する会議が沖縄本島でおこなわれているのか。しかも、なぜ地元がターミナル規模を大きくしすぎないように要請しているのに、県は理解をしないのか。やはり、八重山で権益をつくりたい沖縄本島・本土業者の思惑通りに、県行政は動いてしまっていないだろうか。そうは信じたくない。が、そう勘ぐられる事態に見える。資本にすれば、ここに食い込めば、遅まきながら八重山観光に参入できるのだから。地元のテナントの隣に、大資本の息がかかったところが並べば、競合する。自然、安値の店が優位になる。地元が売り上げを抑えられ、やがてはじき出しに合わないか。空港利用者の数を高く見積もって建設され、テナント料に跳ね返ると、お手上げにすぐなってしまう。地元の店(石垣市商工会や特産品販売センター)が持続可能な出店を可能にすることが優先されるべきでは?。1000万観光客の目標に、連動させられ、沖縄本島の観光論理に巻き込まれると、そこにはダンピング(安値)ツアー、弾丸(日帰り)ツアーが組まれてこないか、将来の島の自然はどうなってしまうのか。空港の運用の負担を外部に依存すればするほど、外部の介入はエスカレートする。大量生産でコストを落とした、ラベルだけが違うお土産品をおいて、ダンピングツアーを促進し、自然を沖縄本島の海域と同じになるまで、どんどん客を送り込んで荒稼ぎしたい資本を呼び込んでしまわないか。約15年前の石垣島も、50%の販売マージンでおみやげ店が「石垣島に来ました」と大きく表示したおみやげ品を多数ならべていた。安いためにそんな品から売れていった。地元の生産品は売れなければ廃れる。ダンピングで何が残るか。大樹に寄りかかり、吸うだけ蜜を吸い尽くし、去っていく手法は、危険な手法。道州制で自立を理由に、野望を企てなければ現状維持は無理と煽るタイミングにある。沖縄県、否沖縄州政府の自立のカードに新石垣空港や八重山の観光を当てにしてくるのは困る。新石垣空港が長く建設できなかった理由は、県主導で島を混乱させたことに端を発していることを忘れてほしくない。新空港でもめた当時を知るジャーナリストも少なくなっている。また起こってきた県の軽率な話し合いの形では?。八重山支庁長の廃止問題も、県立図書館八重山分館の廃止問題も、これだ。県庁職員、警察職員、県教員など県の公務員の一部に、八重山で観光気分で仕事をしている。ここは自然豊かにある場所だから、許せる島の気風がある。ただ、また沖縄本島で何でも決めてしまう方向に戻るなら、島は黙っていないはず。繰り返すが、沖縄県行政官吏は、30年かかった新石垣空港の混乱を忘れてはいけないと、思う。

この記事をシェアする