11月13日14日は八重山家畜市場でセリが行われ、最高額は黒毛和牛の去勢牛で54万7050円。先月よりは2万円ほど高値なものの、平均価格は黒毛和牛去勢で35万4031円で、前月より約1200円ダウンで、厳しい結果にはかわりません。ただ、15年前の価格からすれば、そこそこ。農家による行政への支援要請が行われても、どこか畜産農家は黙々と働くばかりで、まるで様子見の雰囲気。一時の高値は再現せず、あの和牛不足で生まれたバブルは吹き飛んだと考えるべきか。さて今、時代はバイオエタノールの普及で穀物生産が、エネルギーへ振り分けられて、じわりじわりと食糧危機を控える雰囲気がはじまっており、世界は激変の様相。八重山の畜産は子牛の供給だけでなく、亜熱帯で繁茂力抜群の島の牧草を餌に、ローコストの育成法で肉牛の供給を考える時代に入らないのか。これからは気候を生かす時代です。要は技術の確立。今被った原油高、飼料高、運搬コストの高さをきっかけに、少しでよいから各牛舎は島独自なローコスト肥育方法の開発に取り組み、島産島内需要牛という新たな牛の生産はできないのか。老廃牛ではなく、島の島らしさを濃厚にして肥育した牛の供給。ホテルの残飯を分解して飼料化するのでもいい。もう、本土生まれの方法の横並びは辞めよう。フードマイレージを考えれば可能性はある。亜熱帯の特性を生かしているか否かを重視する姿勢が、厳しい時代には大事ではないか。消費者が納得できる牛肉であれば、生き残れる術はある。温暖化を阻止する動きがこれから顕在化する。先手を打たなければ、危ない。