島で取り組むカーボンオフセットツアーのモデル事業が実現

島で取り組むカーボンオフセットツアーのモデル事業が実現

 11月8日午後1時、カーボンオフセットツアーに参加する一行35名が石垣空港に降り立ちました。この関西からの参加者らは、ベンチャー系のIT関連企業の社長および社員らとその家族。 これは、石垣ブランディングプロジェクト推進委員会が取り組むエコツアーで、島の持続的な観光の振興と自然環境の保全の両立をねらったモデル的な取り組みです。カーボンオフセットのツアーを企画・実行して、島の自然を守りながら地域振興を図る意義を、多くの人に理解してもらうことと、実際に島の自然が守られて、かつまた地域の振興に役立てればと取り組まれています。地域振興の軸は地道な側面としては「地産地消」を盛り立てることですが、商工会が環境保全をアピールしながら地産地消がはかれる取り組みを実践することで、島外には自然保護を推進するチャンネルづくりに、地域では経済振興ばかりではなく、島内に環境保全を正面から取り組むメリットの紹介になります。 この取り組みは、あくまでモデル的ですが、実体験をすることで、その有効性を少しづつアピールする機会となります。この日、一行は石垣市新川のゴーヤーカンパニーで島産のゴーヤーでつくられたゴーヤーそばで昼食を取り、この日のツアーの内容をブリーフィング。島の防風林の惨状を紹介し、新たなに良い形の防風林を形成させる意義を知ってもらいます。ツアーは悪い防風林と天然の防風林を観察したあと、実際に畑にフクギの苗と種を植えるというもの。説明が終われば、いざカーボンオフセットツアーの出発です。バスの中はできるかぎりクーラーを使わない形で窓を開けて運行。バスガイドもはじめてのことだと、少々感激気味です。名蔵アンパルの枯れたモクマオウの防風林地帯をバスで走りながら観察。川平の底地ビーチで、フクギの種の生育を守るために、雑草の繁殖を抑止する島の固有種と思われる芝を採取。そのあと、川平湾をバックに記念撮影をしてから、天然の防風林となる根原御嶽(ネバルオン)の森を観察。大きなガジュマルやアカギを観察して、健全な森のありようを体感していました。この日は天候が悪く、雨が激しく降り出すなどして、予定が狂うアクシデントもありましたが、35名のツアーは、この日のメインイベントのフクギ植栽場所へ、途中バスを降りて徒歩で到着。手にシャベルを持って、直に参加者各自が一本の苗とフクギの種子20個を植栽。雨でぬかるむ畑ですが、皆、慣れない手つきながら、きっちり植えていました。マイクを向けると「勉強なります」「楽しいです」などのほか「植林・植樹がビジネスに役立てられるような仕組みをつくっていきたい」と意欲的な感想を述べる参加者もいて、低炭素社会への取り組みに関心の深い人々が参加しているのがよくわかります。一行は、このあとホテルにチェックインしたあと海鮮館で食事会に参加。この取り組みの主催者である石垣市商工会の会長と事務局長が、島の環境保全のためにはるばる石垣島に来島してオフセットツアーに参加してもらったことに対し、お礼を述べていました。一行は9日に竹富島を観光して昼の便で家路に就きます。『石垣島カーボンオフセットモニターツアー開催』の動画はこちら

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