リゾート問題、水牛車問題で揺れる竹富島ですが、国の重要無形民俗文化財として知られる「竹富島の種子取祭」ともなれば、島人皆ひとつになって取り組まれ、大いに盛り上がります。種子を蒔くとき、無事に発芽を神に祈願するためはじまった種子取祭ですが、現在、竹富島では農業従事者はごく一部。開催時期になると、古来の伝統に則って毎年、世持御嶽の神様に数多くの芸能を奉納しています。10月17日、竹富島の世持御嶽で竹富島の種子取祭の奉納芸能がはじまりました。島は2日間の奉納芸能とその間の夜を徹してのユークイ行事で、沸きかえります。この日の午前9時半、神司を先頭に島の役員とともに道歌を歌いながら現れた一行は、世持御嶽の庭に到着。入場した一行は巻き踊りを見せたあと、ホラ貝の合図で棒が奉納されました。1番棒から5番棒まで神様の前で披露された後、竹富小中学校の児童生徒と教師による太鼓が奉納。このあとマミドー、ジッチュ、マサカイ、祝い種子取と続き、女性等による人気の演目、腕棒が披露されていました。最後はウマヌシャーで締めくくられていました。この後は、会場を舞台に移して、数々の芸能が奉納されます。演目ごとに受け継いでいる家が決まっており、各自好きな演目が出来るわけではありませんが、昔から子孫が舞台を連綿と守ってきた経緯があり、大昔からその顔つきの人がその演目をやってきたと思えば、時を越えた不思議な感じで演目が見られます。この日は、多くの島人、郷友、観光客が集まって、奉納芸能を鑑賞。島人や郷友会の人々からは、観光客の多さにと戸惑いを持つ人もおり、郷友の懐かしい姿に巡り会えないケースが出ているとの声もあります。国の重要無形文化財で年々敷居が高くなっている可能性は否めません。しかし、なんでも一生懸命にやるという竹富島の島人の気質・特性とすれば、それもよしとされてしかるべき。なお奉納は明日も仲筋行集落が中心になって庭の芸能と舞台の奉納芸能は行われます。(17日は玻座間集落が中心です)(写真は庭の芸能の「ウデボー」。女性らが腕を使って、棒術の如く戦いを見せます。昔は、島出身者が迫力ある戦いを見せ、毎回会場をどよめかせ、人気の演目でしたが、いまや現代風に上品となって、反応も俊敏でかつまた上品に・・・。)『2008年竹富島の種子取祭』の動画はこちら『2007年竹富島の種子取祭』の動画はこちら