音楽劇「南国の花」盛況

音楽劇「南国の花」盛況

 10月4日、5日の2両日行われた音楽劇「南国の花」は、宮良長包の生涯と音楽をテーマにし、丁度今年が宮良長包生誕125周年当たるため、それを記念した公演です。昨年4月に那覇で公演されたものであり、好評を博したことから再度、今度は地元公演という形で開催されました。
 三木健氏(八重山出身)が原作・脚本。主演は宮良長包の愛弟子糸洲長良の孫にあたる首里出身のテノール歌手の石垣真秀氏。演出は地元石垣の鹿川幸祐氏。このほか、八重山の小学生、中学生、高校生や、地元音楽関係者、文化関係者がキャストとなって舞台を盛り立てました。
 宮良長包は「えんどうの花」で有名な作曲家。明治16年生まれ。8年の故郷での教師生活を子どもの情操教育に取り組みます。その後、那覇の師範学校長から沖縄師範学校の音楽教師赴任を要請され、舞台を沖縄本島に移して積極的な音楽活動のスタートを切り、数々の曲を作曲。第1幕の沖縄師範学校の教師になるのを決めるまでと、第2幕の数々の作曲のあと、結核で亡くなるまでの2部構成の舞台。
 「えんどうの花」ほか「おおたか、こだか」や「鳩間節」「汗水節」「帰り舟」「なんた浜」など長包作曲の歌が舞台で披露され、観衆は、劇と曲両方を堪能。本土が明治維新後、欧米に対抗するために抱く欧米追随の気風。これが招いた社会矛盾を世相に蓄積した時代であれば、真に心に染みる曲が求められた時代でもあった。名曲「えんどうの花」が生まれた背景がよくわかる音楽劇になっていました。4日は750人。5日は600人が会場に詰めかけ、長包の人柄と曲に触れて、有意義な2両日となっていました。

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