9月8日午後2時半から、平成20年度第7回竹富町臨時議会が行われました。先の選挙で川満栄長氏に大差で敗れた大盛町長が任期切れの前に滑り込みでの議会招集であり、内外で波紋を呼んだ議会は、結局開会の運びとなりました。開会当日の午前10時には30人ほどの町民が大盛町長に対して、選挙での審判が下った後の議会開会はしないよう要請したものの、町長は粛々と進めたいと議会を開会。前代未聞の敗れた首長による最後の議会が開催されました。議案は約1億5838万円の補正予算と、公益法人等への職員派遣に関する条例と、竹富町ふるさと応援基金条例の3つの議案および監査委員の選任についての同意を求めるもの。冒頭、補正予算が採決され、通事隆一竹富町議会議長は、補正予算の賛成者に挙手を求めて、挙手しない者を反対と見なすことに同意を求めたことで、挙手により賛成反対は同数になり、議長裁決となって、補正予算案は可決。野党は、このやり方に不満を訴えて議場を退席。その間に、公益的法人等への職員の派遣などに関する条例が可決。これまで9回提案されても、すべて否決されてきた案であり、議論もなくあっけなく通過。竹冨町ふるさと応援基金条例も、大盛町長曰く「3候補者の公開討論でも私が最初に話した」と、先に提案していることを述べて賛意を求めていた。野党議員は退席したままで、これも通過。最後の監査委員の選任だけが、野党議員が戻ったために賛成少数で否決されていました。議会での採決方法は議長に一任されており、議長が挙手による採決をする際に、挙手しない者を反対者と見なして良いかという声に同意して採決されたことに、野党が反発。その機に議案が2つも通過。あっけない臨時議会となっていました。だまし討ちに似た議決との印象も否めない臨時議会は、勝った新町長が、議員を辞める際、辞表を遅らせて補欠選挙を回避したことで議会勢力図がこうなる可能性は見えていたはず。生まれた与党有利を強引に利用したところが見えます。結局川満新町長が18日に定例議会を招集する予定で、そこで補正は削られる可能性もあり、手間がかかる意味のない議会でもある模様。しかし、2つの議案が通過したこの議会は、何か妙なものが残る後味の悪いものとなった。竹富町の公益法人は、竹富町社会福祉協議会やウミエールなど。町職員が正式に派遣されるようになることで、公益法人への出向ができることで、権限も広がることになります。臨時議会開会までして急いでやる意味があるとすれば、ちょっと思わしくないことが予測されてきます。まさか、本気で「食い逃げ」ととられかねない。事務方出身の町長ゆえの生真面目さととるムキもありますが、どうもそこが釈然としません。さて、新町長就任は9月18日。定例竹富町議会は9月19日から26日。待てなかった理由は、何なのか。気になります。