新たな予兆かアテモヤに人気 第2回熱研農業技術講習会開催

新たな予兆かアテモヤに人気 第2回熱研農業技術講習会開催

 8月28日午後3時から国際農林水産業研究センター果樹園で、第2回熱研農業技術講習会が開かれ、午前の約80名。午後の分約60名の市民が参加。テーマは、「アテモヤ・チェリモヤの冬季栽培に向けた剪定・摘葉技術」で、講師は米本仁巳氏。同センター果樹園で、台風のない2月から4月に向けた剪定と摘葉を実習。実際に剪定ハサミで枝の本から5枚を残して先を剪定して、栄養を止める作業を実演。枝が横に張っていくように誘導してやり、高くしないことが説明されていました。参加者には、すでに果実を収穫している人もおり、講師の説明を聞きながら本格栽培に向けて必要な情報を聞き出していました。アテモヤが石垣で栽培する果樹としては、最適と太鼓判を押す米本氏は、日当たりが必要ではなく、日陰でも果樹をつけるため、台風の常襲地帯の石垣島では防風林が阻害要因にならないことを述べていました。ちょうどパインが始まる前の2月から4月に収穫が可能で、そのために8月末から剪定と摘葉をすればいいとのこと。9月末には花芽がついて、10月には花が咲くとのこと。この日は、花が咲いた場合の、受粉の方法も実演。筆を使った方法と、直に手でやる方法が実演されていました。ひとつの花が持つメシベとオシベの成熟がタイミングが違うことから、別の花への受粉を10ぼどできることや、奇形果にならない受粉方法や、ハナビラを採って受粉をする方法も伝授。また、秋へ向けて虫がいなくなることから、先に虫を寄せておくためパイナップルの腐ったものをおいて、虫が来るようにする工夫も紹介されていました。現在、アテモヤへの農家の期待は高く、この日も多くのハウス持つマンゴー農家やインゲン農家のほか、台風被害や気候変動で苦しい思いをしている農家が集まってきており、2月から4月に収穫できる果樹として、生産者意欲をかき立てている模様。記者がすでに観光農園で販売している農家に聞いたところ、観光客の受けの良さに驚いていると述べ、小さいものでも一個1000円で売れていること。大きければ1500でもいけるとのこと。12月から5月まで収穫ができる魅力は高く、アテモヤの潜在的な需要の高さを述べていました。八重山産業祭りで味の良さを知って、講習会に参加した人もおり、徐々に広がりを見せています。観光の果樹の目玉として6月から9月のパイン・マンゴー需要は高いものがあり定評ですが、その前後をボゴールやピーチパインで持たせる方法に加え、このアテモヤで支えることで、飽きさせない観光への農業の側からの供給が生まれます。観光が島の経済に貢献するには、まず地産地消の推進が重要。このアテモヤの可能性は、八重山の農業の最大の問題である台風被害を、避けられることが大きな可能性となります。この日、米本氏のザックバランで歯切れいい説明が行われており、また実際の作業を実演するためわかりやすく、栽培の勘所を上手に伝えるため、聞く側も意欲的に質問をしていました。1999年にパイン工場が消えてパインは生果が主流になる大変革が起こり、ウリミバエ根絶からマンゴーも参入。ドラゴンフルーツが加わって、さらに果樹畑に新たな一大変化の予兆があります。

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