獅子舞のフクダづくり

獅子舞のフクダづくり

 8月3日午前9時から崎原公園の東で大浜公民館によるフクダづくりがおこなわれ、字民が大勢集まって、獅子舞の獅子の毛となるフクダを制作しました。10日前から芯止めされら糸芭蕉が、運び込まれて、幹の皮がはがされてゆきます。その外側の硬い部分がフクダにする繊維です。これを、手で裂いて、灰で煮込みます。このときの灰のpHや、濃度を調整。芭蕉の糸を強くするためのコツがそこにあります。(ガジュマルの灰がいいと、村の長老の白玉さんは語ります)強さを引き出す先人からの英知を長老から教わり、糸芭蕉から強い繊維がとられ、これを獅子の体毛となるフクダに使います。細く強い繊維でできあがったフクダをねじり、パーマをかけたようにすることで、勢いある獅子の姿になります。また獅子の動きにも躍動感が生まれ、演者にも軽くて、しかも風通しがよく、獅子舞になくてはならない素材です。大浜村では、平成元年に公民館でフクダづくりを村総出で取り組むことになり、その4年後に獅子を新調。そのときをきっかけに毎年フクダづくりを実施するようになったといいます。糸芭蕉から糸を取る工程から、大がかりな取り組みが必要となるために、大浜集落の人々の動員が必要となります。いわば村の結束の産物が勢いある獅子舞の姿そのもの。この日は大浜小学校の小学5年生も参加して、フクダづくりを体験。自然素材でつくられている獅子の毛を実際に知り、芭蕉の糸を生み出す作業に参加して、貢献していました。この大がかりな取り組みでも、出来てくるフクダの量は、獅子一体の3分の1にしかならないとのこと。6年続けて実施してはじめて2体の獅子のフクダが新調できるとのこと。悪くなったフクダと交換するために、これらは作り置かれます。芭蕉という自然素材でつくられるフクダは、それだけ手がかかる作業でできあがります。村の結束が維持されてなるフクダ。昔、織物でつくられた糸芭蕉の糸づくりが、そのまま伝統芸能獅子舞の保存のために、村で生きているともいえます。強い丈夫な繊維をつくる技法が、大浜村では伝承されていることになります。『大浜集落の獅子のフクダづくり』の動画はこちら

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