ワールドカップトライアスロン予算可決

ワールドカップトライアスロン予算可決

 7月28日からはじまった臨時市議会は、石垣市からワールドカップトライアスロン公認料の一部となる1496万円(ITUへ)が追加された予算案が出され、7月29日の行財政委員会の審議を経て30日午前10時から本会議で審議された。石垣市から1496万円のITUへ拠出する額が追加された予算案が同委員会から報告。本会議で反対賛成両意見が出されたあと採決がとられた。反対意見は、石垣市当局のトライアスロン資金捻出に関し補助金を申請するなどの努力不足と、議会軽視の姿勢を糾弾。賛成意見は教育的な効果・経済的な効果を述べて、相変わらず議論にはならず。採決となった。与党で反対だった前津議員が賛成に回り、野党の上門議員、小底議員が賛成して、賛成多数で可決。来年のワールドカップ開催が無事可能となった。市役所の建物全体で安堵のため息が聞こえてきそうな一瞬だった。当初、石垣市財政からの拠出がトライアスロン公認料のほとんどを占めると思われて、誤解が渦巻いたのがはじまり。当局の間違いもあり6月定例市議会での上程を取りやめるなどして、今回10%に減額して再度の上程。落ち着くところに落ち着いた模様。野党議員が怒るのは、市の姿勢。市当局の財政健全化の取り組みに、市の施設使用料など様々な市民負担を実行する中、トライアスロンへの取り組みが特別になっていることへの不満から今回の騒ぎが勃発。説明不足のスタートといえる。石垣市から拠出する金額は、開催にかかる経費(1億ともいわれる)のごく一部に過ぎず(公認料総枠3000万の一部)、広告スポンサーからの資金の多さを勘定に入れないままに、野党議員は市側の負担の不平をぶちまけた形。当局の説明不足があるも、情報をつかみ得ずに国際大会の全体像・位置づけを把握しないまま、不満を募らせた今回のバタバタ劇。不平感情が先行してしまって、刃の納めどころに困ったところもあるような・・・。13回を重ねて、未だITU・JTUの活動の全貌を紹介できていないままに開催を続けてきた当局・議会の頼りなさもある。世界でITU主催のトライアスロンは15回開催され、その中の一回が石垣島での開催。世界選手権が1989年にスタートして日々進化する競技種目。であれば、世界大会の存在は大のはずが、どうもそこまで把握が進まない。世界のトップアスリートにはランキングに影響する大会は重要であり、石垣島がトップアスリートから注目されて当然。選手の気持ちを推し量れば、競技する彼らの姿も違って見えてくる。そこを市民とともにつかみ得ていないのが弱点。まず浸透に成功していない。国内のランキング戦でも石垣島大会は特別扱いのレースになっている。ITU主催の石垣島大会と東京で行われているJTU主催の東京港大会の2レースが「トップオブザトップレース」と冠されている。(多分、石垣島がITU主催のワールドカップを手放せば、未だJTU主催の世界選手権でしかない東京港大会が、名乗りを上げて獲得する可能性がないとも限らない。)国内ランキング戦の開幕戦が石垣島大会で、そして最終戦がそのJTU主催の東京港大会。順位に与えられるポイントも、1.2倍で、格下のITU主催コンチネンタル大会の天草、蒲郡、七ヶ浜の3大会で1倍、ほかの格下レースは0.8倍と、石垣島大会と東京港大会は、「トップオブザトップ」のレースとして選定され、選手から観れば、獲得ポイントが違えば自然に重要視されてくる。石垣島大会に出場する選手には、大事なレースになる理由がそこにある。そこまで理解しなければ、まず、石垣島大会の位置づけは見えない。見えなければ価値がわからないまま放棄することになりかねない。今はJTU主催の東京港大会だが、ITU主催の世界ツアーレースに組まれれば、大都市開催であれば盛り上げは格段に力が入る。石垣島大会はマクドナルド会長の好意で開催が維持されているとすれば、相当その意を削いだことになるかも。可能性はある。石垣市民の大多数の無関心さをデータに出したアンケート結果は何より大きく傷つけたことは間違いない。のしかかる重税と、生活費に追われる市民の気持ちとしては、がんばり甲斐ある政治を議員らには期待したい。サラリーマンも、民間社長も、フリーターも、本当に歯をくいしばっているのですよ。多分、5万程度の都市でできる大会ではない。それを実現してきた誇りは、市民が共有できるようにすべきであって、一部の人が自慢し、喜ぶだけの大会にしてはならないはず。ましてや勇んで引きずり下ろしてそれが手柄になるわけもない。今回のことから、よもや蒲郡のようにコンチネンタル大会に格下げになることは今後あるのか。そのつもりでITUはいないか。当局にはいろんな説明がほしいところだ。外に向けて取り返しのつかない事態を生んだのではないか。勘違いと感情論で騒ぎを持ってしまったのではないか。様々に不安が募るドタバタ劇だった。ところで、トライアスロンでは北京五輪大会への切符は、5名が獲得。女子は石垣島大会でデッドヒートを演じた井出樹里、3回目の出場を決めた37才庭田清美が出場権する。また上田藍がアジア選手権広州大会で優勝して1枠獲得で出場権をもぎとる。男子は、石垣島大会で踏ん張った田山寛豪とアジアトライアスロン選手権広州大会で優勝したばかりの山本良介が獲得。彼も自身で1枠を獲得し出場権をもぎとったことになる。5人の健闘を祈りたい。主人公たちを忘れるほど、ワールド大会の行方を心配したということか。なんと、6月14日のやいまニュースに五輪決定を大きく取り上げていない。問題は足下にもあった。

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