五穀豊穣を神に祈願する波照間島の豊年祭が6月19日からはじまり、島の各御嶽では氏子らが集まって、供物を用意し神役らが神への祈願をおこなっていました。八重山全体の豊年祭シーズンより一足先に行われる波照間島の豊年祭は、部外者にはなかなか日取りがわからず、実施されることからして、島の人以外にはあまり知られていません。この日、御嶽に集まった氏子らが、供物の用意やその手伝いなどで、協力しあいながら、伝統行事に加わっていました。長命草やアダンの芯で調理されるマンズと呼ばれる供物が、氏子へも振る舞われ、談笑しながら大昔から伝わる神への食べ物に舌鼓していました。豊年祭のときの餅をカンコーシと呼ぶなど、豊年祭のときだけ呼ばれる言葉があると、氏子の一人は説明してくれました。豊年祭のときの供物の用意の仕方や、神前に捧げる方法などは、込み入った書式があるそうで、古いやり方が今も残る波照間島の豊年祭は、19日夕方に御嶽ごとに巻き踊りがおこなわれ、20日には村全体で巻き踊りがあります。なお21日はアミジュアと呼ばれる雨乞いの儀式があり、そこでは願いが結ばれたことを喜ぶ行事でもあるとのこと。波照間島の結願祭ともいわれている模様。