単収アップで石垣島製糖が今期終了

単収アップで石垣島製糖が今期終了

 八重山の基幹産業のひとつが、サトウキビ生産です。石垣島では、唯一となる白砂糖の原料をつくる石垣島製糖が存在します。この製糖工場の今期生産が製糖日数108日で終了を迎えました。4月22日午後4時から石垣市名蔵にある石垣島製糖の製糖終了式がおこなわれ、職員や行政、サトウキビ関連団体が集まって今期の結果の報告と、来期の計画が発表されていました。台風の影響で年越し操業(1月5日スタート)となった石垣島製糖は、当初計画6万5000トンから豊作型の8.5万トンへ変更。しかし2つの大型台風で7万に落とされ、日照不足なども手伝い6万5千まで悪化の予想でしたが、今年3月の天候の回復で、7万8千と上昇。そして最終的には8万トンと予想外に向上。糖度は低いものの、原料生産量はアップして、農家には単収がアップとなりました。当初の計画から1万5000トンのアップです。この日挨拶に立った大浜博文社長は、出来高は砂糖歩留11.24%で、まだ倉庫に残っており、最終出荷した段階でどうなるかわからないが、最終的には歩留まりは低いことを報告。一方、生産者には、糖度は低いため、糖度の高さによる恩恵はないものの、平均単収が昨年5.7トンから7.1トンにアップして、手取りはアップしているのではないかとコメント。生産者の意欲への支障はないものと考えていますと、生産者へ配慮を見せていました。大浜社長は、「石垣島製糖の損益分岐点は原料生産9万トンで、水面に出てくるためには10万トンの原料が必要で、引き続き努力していきたい」とのこと。今期は、農家へ価格が新しい制度のもとでの取り組みとなっており、原料代に交付金が上乗せされるシステム。交付金は8割が先に概算払いされ、2割は2ヶ月後に清算されてくる形。交付金がはっきり見える形の価格計算は、税金投入が見えやすく、将来コントロール態勢にあることは紛れもない現実。ブリックス(糖度)の向上を生産努力で達しなければ、営農が厳しくなるシステムが、いつでも始まりそうで恐ろしい。そういう意味で、堆肥センターの稼働や緑肥など農家の工夫で、ブリックス向上に向けた行政とJAの二人三脚での取り組みが大切といえます。昨今の穀物を巡る動きには、国際的にバイオエタノールへの転換、中国・インドのなどの新興国の経済発展、国際的な投機の動きが影響して、砂糖の周辺でもWTO、FTAなどで論議が活発化しており、状況は厳しいままです。大浜社長は、国の厚い保護があるものと、信じていますと強く釘を刺していました。来期の計画について大浜社長は、「収穫面積は、1200ヘクタールを計画。春植え200と株だしの250の計画が進んでおらず、植え付け面積に厳しいものがあると述べ、市は8万8000トン。製糖工場側は7万7000トンと予想して見ていますが、長期的増産プロジェクトでは9万4000トンで、これに近づけるようにがんばりたい」と述べていました。『石垣島製糖操業終了式』の動画はこちら

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