国の特別天然記念物のカンムリワシが受難です。2月7日午後3時5分頃、大崎牧場の隣にある水田地帯のそばの大崎の周回道路でカンムリワシの幼鳥が保護されました。近くを通った市民が保護して、環境省自然保護官が対応。すぐに、県から傷病鳥獣救護団体の指定を受けているとみしろ動物病院へ送られ、土城勝彦獣医師が治療。土城氏は県指定の野生生物救護ドクター。氏によると、このカンムリワシは検査したところ外傷はなく、交通事故の可能性は少ないとのこと。かなりの衰弱が見られ、運ばれた直後はカゴの中で立っていたのですが、しばらくしてうずくまったままで過ごしているとのこと。餌を食べよとしないために、餌を無理矢理口に入れて食べさせて、ライトの熱で温めているとのこと。目に腫れ物があるが、怪我ではないもよう。カンムリワシリサーチ事務局の宮城国太郎氏は、冬の時期は、カンムリワシの餌が少なくなることで、衰弱する幼鳥がでることがあるとのこと。今年に入って、川平で交通事故が一件あり、この保護された幼鳥に、もう一匹、衰弱しているものが野生の状態のままで、カンムリワシリサーチが様子を見ている状態とのこと。どれも今期誕生した幼鳥とのこと。今、カンムリワシはペアリング時期を迎えており、幼鳥は親の縄張りを追われて餌を単独で取る必要に迫られている状態。生息環境が、温暖化によるとみられる大型台風の度重なる襲来や、海岸線や山間部への開発の進行により、様々な生物の生態系がかく乱されており、緑の深かった山々は、枯れ枝の目立つ風景が広がっています。また、この時期特有の長雨がいつもより長く続けば、カンムリワシの餌の出現も度を越して少なくなります。カンムリワシの幼鳥が生息地を見つけるには厳しい状況が増えつつあるようです。