八重山の海での可能性

八重山の海での可能性

 沖縄本島や奄美大島などに比べて、八重山は比較的早い対応をとってきたことで、これまでオニヒトデの被害を食い止めてきました。2003年1月から早期にオニヒトデの発生をキャッチして、石西礁湖の南側のオニヒトデ発生ポイントを重点的に駆除してきたことで、石西礁湖全体にオニヒトデが広がらずに済んできました。2006年には駆除数が減りだしてさえいました。八重山のダイバーは5年間、オニヒトデ駆除を漁協とともに取り組んで、その成果が出たと悦んでいたのですが、今回の大量発生は、思いがけない事態です。これまで5年間は、4月に産卵するオニヒトデを、その産卵する直前まで徹底的に駆除することで、大発生を止めてきました。これまでは、石西礁湖の南側の限られたポイントに発生して、駆除の効果がありました。ところが今回は、今年1月5・6日の二日間におこなわれた鳩間島での550匹の駆除。また今回の川平石崎の発生など、オニヒトデは南側に限定されず広範囲に、しかも増えています。ただ今回の大量発生は、どれも小さなもの。生まれて2年あるいは3年ほどのサイズです。これが、今年の4月に産卵することになれば、八重山の海はオニヒトデだらけになり、30年前に起こった異常発生でサンゴを食い尽くすまで手のつけようがなくなる事態となります。4月の産卵までの間に、どれぐらいオニヒトデを駆除できるか。ダイバーには、試練となる2008年といえそうです。皮肉なのは、今年が国際サンゴ年。北半球でサンゴの楽園持つ先進国はアメリカと日本。世界が日本のサンゴに注目する年であれば、環境省の反応が待たれます。今、この八重山の事態に、反応が見えない環境省の姿勢は、これまでの対応の息切れなのか。

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