八重山民俗園の家屋が国指定史跡に

八重山民俗園の家屋が国指定史跡に

 旧牧志家と旧森田家の建物を移築して展示してきた八重山民俗園の2つの家屋がこのほど国指定の登録有形民俗文化財に登録されました。旧牧志家は、民間の診療所を兼ねた建物で、その診療所の部分は登録文化財としては外れており、診療所の玄関がのちに付加されていますが、それも対象でないとのこと。普通の八重山に見られる古い家屋に比べて天上が高くつくられており、豪華さが際だちます。旧森田家もまた豪華につくられており、建物の豪華さが規制されていた時代が終わってしばらくして生まれ出た家らしく、自由なつくりが見受けられます。裏座には縁側が用意されて、利便性が高められており、3番座から炊事場などのかまどが立派に備えられています。規制が外された自由な気風の下に、人々が建物にいかなる趣向を凝らしたか。亜熱帯の自然の中で、技持つ人の腕がふるわれて、束縛からの開放感と刺激された創造性が八重山の文化を花開かせた足跡がそこにあります。

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