八重山の閻魔といえば、八重山毎日新聞の正月版に毎年登場する、閻魔大王だが、これは沖縄本島以南に見られる閻魔鯒(エンマゴチ)。英名はクロコダイルフィッシュ。ワニ魚である。米原海岸で見掛けたこのワニもどきの魚は、50センチ。でかいのであった。これに似た魚が本土にもいる。土佐湾・若狭湾以南に生息するワニゴチがそれ。目の後ろにくぼみがないのと、目に皮膜がついておらず、口の先が尖りがち。ワニゴチは60センチにもなるという。英名は、クロコダイル フラットヘッド。「ワニの平べったい頭」である。エンマゴチの英名がワニ魚で、ワニゴチの英名がワニ平頭。沖縄は亜熱帯だ。北緯24度の八重山はフロリダと同じ。エンマゴチへ、むしろ「ワニ」の名を付けた方が、しっくりくるのではないか。米原で見たエンマゴチの目は、持ち上がって後ろへも視界が広がる構造で、「何でも知っているぞ」と悪人を絞り上げる閻魔大王を想像すれば、その名も、あながち遠からず。エンマゴチはカサゴ目コチ科エンマゴチ属エンマゴチ。タコアシカタトサカの上で、完全擬態で周囲にとけ込んでいました。が、周囲の魚は気がついているようでした。『八重山にワニ?』の動画はこちら