伝統ある村に、新しい波が来る。そうして歴史が織りなされていく。しかし激しい開発ラッシュがあると、もともとあった大切な場所や伝統の仕組み、行事を知らない層が急に増えていきます。各所で、知らないうちに風景が変貌。この何気ない変化が、やがて雪崩を打ってこれまでの村の雰囲気を変貌させます。若い層の意識が外からの情報ばかりに関心が向くからです。悪気はないのですが、無神経な事態がいたるところで起こります。由緒ある場所の周辺にコンテナが置かれ、プレハブ式の簡易住居が建つこともある。島の移住ブームから、活気が生まれる一方で、悲しい風景が現れてきます。これはしかたのないことなのか。避けられることなのか。熟慮している間にも、事態は進展していきます。戻り道なき時間の経過が、次なる事態を生み出します。急激な異変はさけたい。将来どうなるかを先に配慮して、予めの対処が急激な変化への唯一の防御です。