石垣市の試練と季節感

石垣市の試練と季節感

 今、石垣市は人口が増加し、忙しい日々と増える交通量で、これまであったのんびり過ごせる時間が徐々に消えつつあります。移住者の増加と、建設ラッシュ。景観の変貌、見かけない繁忙。建物が知らない間に林立し、雑木林が喪失しています。施政60年目に訪れた、思いがけない人口流入。これまで島の人々は、豊かになることを願い、様々に頑張ってきました。遠い市場への様々な取り組みは厳しい状況を生みました。あの頃の目的は、この今起きている事態ではない。移住者を増やすために、建設ラッシュを招くために頑張ってきたのではないはずです。 かつて、本土の田舎が、この心ない不動産業者の先取りした特権で蹂躙されました。投機を煽って、人とモノをつぎ込んで、田舎を砂漠にしてゆきました。それが発展と思いこまされて。しかしどこの田舎も最後はリトル東京。移住者が都市のまねごとを発案し、欧米や諸外国のまねごとで新しがる大都市文化にまみれてコンビニエンスが浸透し、地域の文化は細々と存在するばかり。そこに、地理・気候・自然との融合性・必然性はありません。欲望の落ち着く先は虚無と飽き。放心の後は興奮を求めて刺激に走る単調な時間があるだけ。共通するのは季節感が消えること。文化が、スピード社会ゆえに、時間がないと文明に潰される。最初に消えるのは日々の季節感。

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