ブームに注意、何かが失われるかも

ブームに注意、何かが失われるかも

 入客数77万人突破。八重山の観光が活況を帯びています。しかし、本土・沖縄本島からの大小の資本が動き、既存の島の業者は攪乱される一方です。ことに次々に押し寄せてくれば、波風が立たないわけがない。 島の外から来る人は、都会の緊張感があるため、それなり仕事も有利になる。島に戻って数年を経た人から見れば、彼らは新しいことをよく知っている。 しかし、島に長く暮らせば、都会の情報のプロトタイプさ加減に、底の浅さがはっきり見えてくる。だから引け目を感じることはない。だから島人は黙って見ている。島の良さであるのんびりした時間が、大事なことを知っている。しかし、これだけ島の様子が変わり、島のゆとりの象徴でもある雑木林が消失してしまうと、話は違う。外部からの力が大きくなり過ぎて、島のペースが攪乱され続け、最後は呑まれてしまう可能性が出てくる。また、パイン工場が林立し、ブームが去って廃墟を増やす二の舞は避けたい。あのブームで八重山上布の織り子が消え、継承されていたものの灯火が消えかかったこと。忘れてはいけない。

この記事をシェアする