まつりは参加するからこそ
楽しめるもの
JTA石垣空港所は、11月1日、2日に開催された石垣島まつりに、総勢50名余りのスタッフで参加した。昨年の「市民大パレードコンテスト」では最優秀賞に輝くなど、スタッフの間でもまつりへの参加意欲が高まっている。しかしここまで結束が固まるまでには、様々な課題があったという。
3年前、JTA八重山支社長に就任した名渡山秋彦さんは、当時の石垣島まつりのパレードを観て、不思議な寂しさを感じたという。
「まつりは自ら参加するからこそ楽しめるものですよね。しかし当時は、JTA石垣空港所として石垣島まつりには参加していなかったんです」。
それから数日後、自身が感じた気持ちをスタッフに問いかけてみた名渡山さん。翌年、それに答えるように、スタッフの間からは石垣島まつりのパレードに参加しようかという声が出てきた。
「パレードに参加するからには観衆(市民)が喜んでくれるものでなくてはいけない。中途半端にはできませんよ。準備も大変だけど本当にやりますかと聞いたら、やるという返事がきた。それからすぐ準備に取りかかりました」。
石垣島まつりに向けて動き始めたJTA石垣空港所だが、当初、まつりの準備を行っていたメンバーはまだ数人だけだった。あくまでも、まつりへの参加はボランティア。準備は業務終了後に行い、休みも返上して取り組まなければならない。ほかのスタッフの気持ちを高めていくことが、思いのほか大変だったと副所長の崎枝栄一さんはいう。
「準備に参加したいと思っても、実際にやったことがないスタッフばかり。ボランティアに対して若干抵抗感があるスタッフもいました。しかし私たちが準備しているときに、わざと部屋のドアを開けっ放しにしたり、みんなが通る所で作業をしていたんですよ(笑)。するとやはり気になっていたのか、徐々に参加する人が増えていったんです」。
なによりも楽しく取り組んでいたことがよかったのか、結果を振り返ったとき、組織力が強くなったことを実感したという。
パイロットや客室乗務員らも
パレードに参加
JTA石垣空港所の今年のテーマは「想いを届ける うちなーの翼 応援します フライト農業・漁業」。航空会社は旅客のイメージが強いが、実は地域の農水産物を全国に届けるために、貨物輸送にも力を入れている。そこで今年の石垣島まつりでは、ゴーヤーやパイナップル、ドラゴンフルーツ、マグロなどの着ぐるみを着てパレードをすることで、JTAの取り組みを知っていただくとともに、市民のみなさんに楽しんでもらおうと考えた。しかし、まつりにかけられた予算はゼロ。市内のお店を駆けまわってりんご箱をもらってきたり、ときには支社長自ら海岸に流れ着いている大きな発泡スチロールを探しに歩き回ったこともあったそうだ。
まつりが近づくにつれて参加するスタッフはどんどん増えていき、噂を聞きつけた沖縄本島のスタッフも参加することになった。中には現役のパイロットや客室乗務員もおり、まつりの当日、本物だとわかった観客の中には驚く方も多かったという。「市民とふれあえる石垣島まつりという素晴らしいイベントがあるからこそ、みなさんオフを利用してボランティア参加するのです」と名渡山さん。
JTAグループは『うちなーの翼』という看板を掲げているが、スタッフもそのことを常に意識しているという。島が観光地として発展していくために、日々石垣島の玄関口を支え、地元と一緒になりながら活動を続け
ている。