海人(ウミンチュ)たちは毎年夏に1度、一斉に舟を出し、漁の邪魔者であるサメを退治するのが恒例となっているようです。そのおかげで八重山の海は安全でもあるのですね。
海のギャングと悪名高いサメとは、やはり海で会いたくはありません。しかし、いつの夏だったか、知人の海人から「今からサメ退治に行くよ」といわれると、やはりカメラを持って同行してしまいました。
この日は二艘の舟で西表島近海あたりまで行きました。しばらくするとエサにかかったサメが船体にぶつかってきました。暴れまわるサメと、銛(イーグン)でメッタ突きする海人、そしてカメラを構えるぼく。ぼくは舟の上でバランスをとりながら、必死の思いでシャッターを切りました。サメの力にも驚きましたが、銛でメッタ突きする海人の迫力にも圧倒されました。
しかし、ぼくも負けられません。海人が獲物をねらうように、カメラマンもさまざまな情報を瞬時にキャッチし、いつもシャツターチャンスをねらっているのです。