今年は暦の巡りで海神祭が例年より早く、本日めでたく海神様に船漕ぎを奉納した地域も多いかと思います。そして古の言い伝え通りだとそろそろ梅雨明け、長い長い八重山の夏が本番を迎えます。年々強くなる台風、夏が長いとそれだけ台風が近づく確率が上がるので考え物ですね。
去年と打って変わって静かなGWも終わり、夏までのいつもの静かな時期を迎えています。蛍の季節も終わり、これからはサガリバナ、そして夏のシーズン本番へとまっしぐらです。観光シーズンにはいつも以上に観光客が訪れ、島の美化や景観も気になるところです。少し前の事ですが、西表島に猪垣が整備されました。年々ひどくなるイノシシの作物への食害阻止が目的、農地と道とを分断する高さ1メートルほどの鉄格子がそこらじゅうに張り巡らされています。一部区間では防風林側と山側、つまり道路の両側に鉄格子が…景観的にもそうですが、何よりもイリオモテヤマネコやセマルハコガメ、シロハラクイナなど小動物の生活を全く無視したものであることを問題提起したいと思います。
ここ竹富町は奄美・琉球弧全体として世界自然遺産を目指しているはずです。そのような状況の中でどうしてこのように小動物の小さな世界を無視したものが出来上がるに至ったのか不思議で仕方ありません。行政関係者の中でただのひとりでも疑問に思わなかったのでしょうか。もっと言えば予算は議会にも諮られたはずですが、議員の中でただの一人でもおかしいと思わなかったのでしょうか。パブリックコメントがなかったことは言うまでもありません。たったこれだけのこともまともなプロセスがなされないまま、自然遺産に登録されるなど考えるだけでも億劫です。島で生活する者にとっては制約として現れる部分も出てくるので一概に良いことずくめではないからです。
さて、長い長い夏の終盤には我が竹富町議の改選もあります。いつもの顔が並ぶ選挙がまたやってきて、いつもの公民館代表みたいな町議が誕生するのでしょう。離島だらけのこの特殊な町では仕方のないことかもしれませんが、公民館代表ではなく、町議として竹富町全体のことを考えて行動のできる「視野が広くてフットワークの軽い」議員が誕生することを切に願います。