第47回 名蔵アンパルの動植物たちシリーズ(13)アンパルの昆虫(3)

オキナワシロヘリハンミョウ(写真1)
 海岸の岩礁地帯に生息する甲虫。石垣島ではアンパルの干潟に5月末ごろから夏にかけて多く観察される。満潮時には岸辺に集まるので観察は容易である。

オヒルギアシブトヒメハマキ(写真2)
 成虫の開翅長14・5~20・5mm程度の小形の蛾で、幼虫はオヒルギの胎生種子の中にもぐりこんで食べ、種子の中で繭を作って蛹となる。近似種のヤエヤマヒルギアシブトヒメハマキ(前号に掲載)とは翅の模様が若干異なる。ホスト(幼虫が食べる植物)が異なることで、前種より分布域もさらに北上している。奄美大島、沖縄島、宮古島、石垣島、西表島に分布。

リュウキュウフトスジエダシャク(写真3)
 幼虫はオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギなどの葉を食べて育つ。ヒルギ類は塩分を含むため、これらを食べる数少ない蛾である。開翅長30 程度の大きさで、色彩や斑紋の変異に富んでいてヒルギの幹に止まると保護色となって見分けにくい。本州南部~南西諸島に分布。

山田 守 北島 英雄

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