巨樹・巨木との遭遇(31)

巨樹・巨木との遭遇(31)
巨樹・巨木との遭遇(31)
巨樹・巨木との遭遇(31)

オヒルギ

 伊野田のソウジカーラの下流に、北側から注ぐ支流の湿地帯で遭遇したオヒルギ(ヒルギ科)の巨木です。別名・アカバナヒルギとも呼びます。胸高の幹回り1メートル95センチ、樹高約8メートルの堂々の巨木です。オ(雄)ヒルギの名は、メ(雌)ヒルギに対して付けられたようですが、別名のアカバナヒルギは、花の色に由来するようです。
 オヒルギは、マングローブを形成する常緑の高木です。琉球(奄美大島・徳之島・沖縄島・久米島・南大東島・宮古島・石垣島・西表島・小浜島・与那国島)に自生し、東南アジアの熱帯を中心にアフリカ・台湾・中国大陸南部・オーストラリアや太平洋諸島などにも広く分布するようです。
 ところで、冒頭の湿地帯には、石垣島では珍しいハマザクロ(別名・マヤプシギ)が自生(1本)していましたが、現在は確認できません。ハマザクロは、西表島が分布の北限ですが、まだ自生しておれば、石垣島の同湿地帯が北限ということですが残念です。しかし、昨今は名蔵湾のアンパル内や同湾の県道沿いでも確認できますので、やはり、石垣島が北限ということでしょうか。
 話は戻ります。実は、西表・浦内川の支流・ウダラ川の上流には、平成12年に沖縄県緑化推進委員会が認定した「浦内川のオヒルギ」があります。幹回り1メートル40センチ、樹高13メートル、推定樹齢300年の見事な巨木です。今回、あえて石垣島のオヒルギを掲載したのは、宮良川河口や名蔵アンパル、吹通川に自生するオヒルギよりも、絶対本数が少ない同湿地帯で遭遇した巨木として掲載させていただきました。

松島 昭司

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