桴海・大田の山林内で遭遇したハゼノキ(ウルシ科)の巨木です。胸高の幹回り2メートル、樹高約12メートルのハゼノキらしからぬスマートな巨木です。
ハゼノキは、低地から山地にかけて自生する雌雄異株の落葉性の高木です。四国・九州・小笠原・琉球(奄美大島・沖縄島・久米島・宮古島・石垣島・西表島)や台湾・中国大陸南部・東南アジアの熱帯や亜熱帯に分布するようです。沖縄県では、数少ない紅葉樹の一つです。
本土に分布するハゼノキは、古くは琉球(沖縄島)から移植されたものが野生化したとも言われています。冒頭の「らしからぬ」とは、各地で遭遇する多くのハゼノキが、決してスマートな樹形ではなく、数本の幹が同時に伸びて自由ほん放で様々な樹形をしているゆえの表記です。
ところで、ウルシ科のハゼノキは要注意です。個人差はありますが、中にはハゼノキのそばを通過しただけでかぶれる人もいるようです。私もヤブこぎの斜面で山頂を目指す折、何気なく手を掛けた樹木がハゼノキである場合がよくあります。すると2、3日後に耳たぶやまぶたなど、柔らかい表皮の部分に「効果てきめん?」の症状が出ます。それでも懲りないアウトドアです。
今回は、2013年4月号で紹介した(24)カンヒザクラの近くで遭遇したハゼノキでした。