右も左も真っ暗闇でござんす。

 野田総理大臣のヤケッパチ衆議院解散でマスコミが騒々しい。いや~それにしても核分裂して次々とミニ政党が誕生したかと思えば、今度は合体。ヌーガ、ヌーヤラ、ムルワカラン。消えうせたかと思えば ♪昔の名前で出ています~という懐かしい老人や若年寄たちが登場し世間を嘲笑っている。
 それにしても、日本のマスコミはマスゴミとネット上に書かれるように、政策ならいざ知らず、政党の人物だけをクローズアップして集合離散を面白可笑しく報道しているのを見ると、日本を危うくしているのはマスコミではないかと疑う。
 逮捕覚悟で尖閣上陸も辞さないと見得を切っていた石原東京都知事は知事を辞任し、橋下大阪市長等の維新の会と合流。国会で天下国家を論じ日本を尖閣諸島のような危険な状態に陥れようとしている。
 自民党総裁に帰り咲いたアベッと驚くひとの元気良さ。自衛隊を国防軍とする、憲法改正をするといい、教科書改訂、尖閣諸島への公務員の常駐、漁業環境整備。知人から教えられたが、まだ読んだことがないが、慰安婦問題で、日本の正当性を世界的にアピールするための機関を設置する構想もあるらしい。基地に関しては抑止力の維持強化を図り、「地元の声に耳を傾け」日米再編成を着実に進めるという。何度そんなセリフを聞いてきただろう。
 美しい日本の領土を守るため、自衛隊の予算を増額するという。原発もわけがわからない。
 沖縄をメチャメチャにしてきた自民党やその亜流の日米同盟強化連立政権が誕生すれば、沖縄の基地の固定化、尖閣諸島をめぐる日中対立、一種即発の最前線に立たされるのだ。
 慰安婦問題における河野談話の見直しや、靖国参拝を強行すれば韓国や中国との関係は今以上に冷え込むだろう。米国や各国の人権団体から厳しい批判を浴びるであろう。
 ましてや尖閣諸島に公務員(警察か海上保安庁か)を常駐させたり、漁業環境整備などすれば、実効支配として中国が反発し紛争が起きる可能性があることはいうまでもないだろう。
 尖閣諸島周辺での日本漁船の「安心操業もはや不可能 中国漁船の出没常態化」(八重山日報2012年11月22日)という厳しい状態に置かれているのである。
 民主党、自民党、維新の会、政権を担いそうな政党と普天間基地の県外移設、オスプレイ反対という沖縄県民の願いとが乖離しており、いずれが政権を担当してもこれまで以上に厳しい状態が続くであろう。
 この文章を読者が読まれる頃には、すでに選挙も終わり、政権も誕生しているわけだが、現時点(12月4日)で、断言できるのは、鶴田浩二のセリフではないが「この世の中右を向いても左を向いても真っ暗闇でござんす」ということだ。
 これを書いている最中に、今度は北朝鮮の地球観測衛星ミサイルの発射準備が進められており、発射飛行経路には石垣島上空も含まれており、衛星のカバーが石垣島などに落下する恐れがあるという。当然、自衛隊のPAC3も配備されるだろう。
 四月に次ぐミサイル騒動である。選挙というタイミングを見ていると北朝鮮とアメリカとがグルになって日本の保守勢力を支援するために仕組んだ罠ではないかとつい勘繰りたくなる。それにしても忌々しい限りだ。
 原発を巡っても論争が行われているが、八重山は関係ないとノンビリしていたら、なんと台湾の蘭嶼島の原発廃棄物貯蔵施設が津波で放射性物質が海に流出する恐れもあるというテレビ報道である。
 施設は原住民には缶詰工場を建設すると騙して造られたという。ドラム缶に詰められた放射性廃棄物はドラム缶の腐食によって壊れ、中身を手で移し替えたという。原発廃棄物施設の影響と思われる高い放射線量が確認されていた。
 津波や事故で貯蔵施設から放射性物質が流出したら与那国、石垣島近海が放射能汚染されるのは当然だが、黒潮に乗って汚染は東シナ海に拡大し種子島辺りで太平洋に抜け本州の海岸を東進するという。漁業に深刻な危機をもたらすことはいうまでもない。
 なんとま~天からはミサイル海からは放射能、危険だらけである。
 川満信一ではないが、日米支配者のアジア戦略の上から沖縄の人たちは生きながら「死亡者台帳」にあるということばがしみじみと思われる。
 こうなるともう開き直って生きるしかないネ。

大田 静男

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