世界はやいまを中心に回るよ、喝!(11)

 行く年来る年…2012年は試練の一年でした。まだまだ試練は続くのですが、この先乗り越えられるかどうかとっても不安だったりします。私を知る人は口を揃えて驚かれるのですが、私だって悩みはあるし不安だってあるのです。最近、思うのが内面磨きの大切さ。自分もそうですし、地域もそうです。どんなに美人でも内面が廃れていたら魅力はないし、どんなに立派なビルや施設があっても地域の人の心が綺麗でなければ観光客は戻ってはきません。最近、この部分に相当疑問を感じており八重山観光のこの急下降ぶりはそこに原因があるのではないかと勝手に考えています。見てくればかり整備している気がしてならないのです。それでは長続きなんて絶対しないのに…。
 私が住む竹富町で言えば、未来に対するプランが全く見えないのです。そこに夢や理念はあるのかって言うことが多々あって平然と毎日が進んで行くだけで済まされている。一町多島は確かに大きな課題かもしれません、しかしそれは、もはや「言い訳」として使われてしまうだけの日常。できない理由はもうたくさん、「ここからだったら皆で努力できるよねー」っていう小さなことから始められないものなのか?と私は思ってしまうのです。どうすれば地域に、そして島にお金を循環させることができるのか、町ではなく各地域が話し合いを持っていくべき時期なのです。
 今の竹富町の観光は、その8割が日帰り観光です。ガイドは繁忙期だけ働くヘルパー(住民票がないので町には納税しない)、食事も地域の弁当屋から買うのではなく石垣島のそば麺を使って温かいそばを提供するショップが多い。地域に落ちるお金は、経営者の給料と、燃料代くらいなのが悲しき現状。その経営者も買い物は全て石垣やらネットで済ませるため地域にはほとんどお金が落ちないのです。私もそうです、島の高い商店で買うよりは石垣の量販店で買い物をしてしまいます。それは私たちが「比較」できる環境に暮らしているからです。比較できなかった一昔前は皆近所の商店で買い物をしていたはず。
 私自身起業した当時はミルク屋さんでした。しかしどんなにこだわりぬいても、安いコープのミルクには勝てない…。そうやって形を変えて今の商売にたどり着きました。今は今で観光客相手なので相当不安定です。どうすれば安定した商売にできるのか、日々葛藤なのです。安定しないから安物に走ってしまうと、永遠にそのループから抜け出せないでいく。それが今多くの島民の抱えている現実ではないのだろうか。
 業種などとっぱらって腹を割った話し合いができればいいのになぁ、と考える今日この頃。ということで今年の目標は、縦割り社会を横に繋げていくお手伝いができればなぁと…。

崎枝 百合香

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