第30回 「新アンパルガイド」の作成始まる

 ラムサール条約登録湿地である名蔵アンパルを案内するために、200
8年に作成されたリーフレットがあります。アンパルの観察会などで配布されるのでごらんになった方もいらっしゃるでしょう。製作者として南山舎、谷崎樹夫、熊谷溢夫、小菅丈治、崎山陽一郎、佐野清貴氏らが名を連ねています。このリーフレットはラムサール条約に登録されたことを契機として作成され予算30万円、わずか3ヶ月で作成したものだそうです。担当者は大変だったことでしょう。それにしてはよくできているリーフレットです。36種類の鳥、14種類の蟹、12種類の貝、8種類の植物などを紹介しています。トピックスとしてアンパルの面白い現象も解説している楽しいリーフレットです。
 昨年度沖縄一括交付金について意見募集があったおり、アンパルの自然を守る会は「新アンパルガイド」の作成を提案しました。その提案が実現し「新アンパルガイド」を作成できることになりました。「新アンパルガイド」は「ガイドさんのネタ帳」となるようにします。つまり私たちのようにアンパルの自然観察会をする機会の多い団体、学校の先生、観光客を案内するツアーガイドさん、エコツアーのガイドさんに役立つ内容を目指します。バスガイドさんたちが、アンパルとはどういうところなのかバスの中で説明できる、エコツアーのガイドさんが、お客様を干潟に案内しながら多様な動植物を紹介できる内容にしようと考えています。学校の先生が生徒たちに島の宝であるアンパルを教室で解説できるようにCDも作成します。
 石垣市生活環境課自然保護係の下に、作成委員会をたちあげ編集作業に入っています。完成は年度内ですから来年3月ということになります。作成委員には、谷崎樹夫、深石隆司、島村賢正、廣川潤、山崎雅毅が選任され、事務局を下地理人(生活環境課自然保護担当)が務めています。8月末までに目次の作成と執筆依頼者がほぼ決まりました。執筆者はそれぞれの専門分野で調査研究をされている信頼できる方々にお願いしています。A5版128ページという小冊子形式とすることになりました。
 主な内容は以下のようになる予定です。
1・アンパルの概要、2・アンパルの地図、3・アンパルの成り立ち、4・アンパルの生き物、5・アンパルの生き物暦、6・アンパルの水系、7・アンパル周辺の歴史と文化、8・アンパルの現状と課題
4のアンパルの生き物が2分の1以上を占める予定ですが、それでもこの冊子に収まりきれない資料はCDで見られようにする工夫も考えています。楽しみにしてください。

環境省から「アンパル園地整備計画」案
 環境省がアンパル園地整備計画を提案しています。今年度中に調査、測量を実施して来年度から着工予定です。名蔵川に架かる神田橋の左岸側に駐車場、トイレと1.5kmの木道を作り観光客がマングローブ林を観察できるようにしようというものです。計画の是非を論ずる前にまず現場を見ようということで私たちは8月7日に予定地の現地調査をしました。次号ではこの問題を取り上げます。

アンパルの自然を守る会 事務局長 山崎 雅毅

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