世界はやいまを中心に回るよ、喝!(8)

今年も残すところあと3ヶ月…。個人的には今年県外マーケットにチャレンジしたことをきっかけに、八重山そして沖縄の現状をまったく異次元から見つめることができた年でもあります。以前も書いたことがありますが、マーケットが欲しいものを作らない限り生き残ることはできないのです。大事なのは柔軟性、頻繁にマイナーチェンジを施し商品の完成度を上げて行くことが重要です。
 では沖縄産の商品ってどうでしょうか。皆カラフルなパッケージで中身がなんであるのかはちょっとわかりにくい。沖縄らしいかもしれませんが、商品の良さが伝わっていないと感じます。全国的な展示会に行くとその差は顕著です。ディスプレイの仕方、パッケージング、パンフレット、その全てが洗練されています。商品の中身よりパッケージにお金をかけます。私は中身が重要だと常日頃から思っていたので最初はそれが衝撃でした。ここ数ヶ月で少しずつリニューアルを進めていますが、リニューアルしたものの売れ行きが良いのです。そしてあきらかに観光客の皆様が手に取ってくださっているのがわかる場所で売れています。リニューアルにかかった金額を取り戻すのはもう少しかかりそうですが、回転がいいと賞味期限間近での返品も減るので一石二鳥です。
 沖縄県の補助事業にマーケティング関連がぼちぼち出るようになったのは最近のこと。事業によってはパッケージリニューアルも対象になり、専門家のアドバイスを受けながらブラッシュアップができます。お化粧直しが済めばいよいよ県外マーケットへ。今年は東京と大阪で大きな展示会に参加しましたが、原発事故の影響がなお残っておりまだ南の産物の人気は根強いです。業務用規格、生産証明がトレースできるもの、残留農薬の検査が済んでいるものは特に人気がありうちの商品もだいぶ声がかかりました。
 しかし大手さんは取引単位が桁違い、さらに金属探知機の検査が必要だったりとやはり個人でのチャレンジには限界を感じました。継続的な取引を成立させるためにはやはり行政の支援が不可欠です。金属探知機などは一基数百万円しますので個人では無理。例えば行政が所有していて、利用料を払えば持ち込み検査ができるシステムがあれば便利だなと思います。八重山の、そして沖縄の産品が遠く羽ばたけるよう民間と行政の協力体制の構築が早急に必要になります。

崎枝 百合香

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