「ティダヌファキャンプ」で見た石垣の子どもたちのかっこいい姿

「ティダヌファキャンプ」で見た石垣の子どもたちのかっこいい姿
「ティダヌファキャンプ」で見た石垣の子どもたちのかっこいい姿

福島第一原発事故は、東北・関東の地を大量の放射能で汚染しました。チェルノブイリ原発事故では人が暮してはいけない地域とされた汚染度の高い地域で、今も大勢の子どもたちが暮らしています。原発事故当初「ただちに健康への影響はない」というマスコミから流れる政府、東電のキャンペーンが大うそです。ことはチェルノブイリで起こってきたことを少し調べればわかることです。残念ながら、東北関東の子どもたちの体を放射能が徐々に蝕んでいくでしょう。そのことを恐れる親たちが、「せめて夏休みなど学校のない期間だけでも、放射能に汚染されていない場所で子どもたちを暮らさせたい」という切なる願いを請けて取り組まれているのが「子ども保養、疎開事業」です。そのひとつとして、石垣、八重山の善意を集めて実施されたのが「ティダヌファキャンプ」でした。12泊13日のキャンプには28人の福島の子どもが招待されました。私も一スタッフとしての4個のプログラムを担当しました。どのプログムもそうですが、石垣、八重山の市民、事業者つまり大人たちの協力は真心のこもったもので、本当にうれしく思いました。「八重山ヒジュルー」という言葉がありますが、なぜこんな言葉があるのかと疑うほどした。原発事故は、沖縄にとっては他人事ではない、子どもたちをぜひ助けたいという真心を強く感じるものでした。
 大人たちだけでなく、石垣、八重山の子どもたちのすばらしい働きがあったことを報告しなければなりません。私が担当したプログラムで「島内一周観光」には八重山商工高校商業科観光コースの生徒さん、先生が協力してくれました。バスを使っての1日コースでした。福島の子どもたちに石垣島の名所、旧跡をわかりやすく案内してくれました。バスの中であるいは昼食時に、なれない土地で親と離れての生活で、ストレスを持っている子どもたちを和ませる巧みなガイド術を見ることができました。観光コースの生徒さんも、子どもだけを相手にするガイドは初めてだったはずです。子どもたちを引きつけ、和気あいあいの雰囲気を上手に作り出していく様子を見せてももらいました。
 ボーイスカウトの子どもたちと一緒に、いかだを作りアンパルに浮かべるプログラムを実施しました。ロープワークを駆使してイカダを組み上げるのですが子どもたちにとっては簡単なことではありません。ロープの結びは、自分ができても人に教えるのは難しいです。ボーイスカウトの子どもたちは福島の子どもたちにしっかりと教えてくれていました。「ウイングキッズリーダーズ」との交流ではさらに感心してしまいした。これは私の独断と偏見かもしれませんが、石垣の大人は観光都市の割にはおもてなしがあまり上手ではないという印象を持っていました。ところが、ウイングキッズの子どもたちが、「手馴れた」感じで、福島の子どもたちをあっという間に輪の中に取り込み、一体感を作り上げ、2時間弱の交流を楽しませてくれました。
 八重山商工高校、ボーイスカウト、ウイングキッズの子どもたちの活躍を目の当たりして「ティダヌファキャンプ」をやって本当に良かったなと思いました。石垣の子どもたちが福島の子どもたちを楽しませるために考え、準備し実践してくれたことを見られて、「石垣っ子はかっこいい」という貴重な体験をすることができました。石垣の子ども本当にありがとう。

山崎 雅毅

この記事をシェアする