世界はやいまを中心に回るよ、喝!(7)

次々やってくる台風に惑わされ、観光客も昨年とさほど変わらず(これで大丈夫?)意外にゆっくりした8月を過ごしました。久々に体調不良でぐったりもしていて、体が資本のこの仕事を恨めしく思う日々でもありました。
 さて、沖縄県には今年一括交付金なるものが創設されソフト事業を中心に莫大な資金が注入される運びとなりました。今こそ沖縄の自治能力のアピール、行政職員の企画能力のアピールになるであろうこの資金。年度も半ば近くに差し掛かり、だいぶ中身が見えてきたところです。八重山においては、予想通り?ハコモノ関連が目立ち、私が期待していたような人材育成支援事業などはほとんど見られないのです…。なぜ、この話題かというと今我が町が直面する「役場の西表島移転」問題にも関わるからです。
 思うに、幸せを感じ続けなければ人は離島には住み続けないのです。利便性が悪いという条件があるところに、「幸せである」という感覚が勝ればいかに不便な離島でも人は住み続けます。
 あなたは今幸せですか? 迷いなく「YES」と答えられる人がいったいどれくらいいるでしょう。島に暮らす人ですらそうなのですから、便利な石垣島に暮らす町役場職員が抵抗を感じるのは当然の心境だと思うのです。大枚かけてハコモノを整備する前に、定住条件の整備を先にしなければ全く意味がないのです。いやいやながら人を連れてくるのではなく、逆に「竹富町で暮らしたい、子育てしたい」と言わせるくらいの環境の整備ができないものかと悩みます。男性にはそのような発想がないようで「何か」を作りたい、形を残したいというのが先立つようですね。
 今回の資金ではぜひそのような面にお金をかけて欲しかったのですが、竹富町においては一括交付金の使途についてパブリックコメントを募集するわけでもなく事業メニューが発表されてしまいました。肝心のソフト事業が1割前後というありえない結果に、私はまたもわじわじーするのでした。

崎枝 百合香

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