世界はやいまを中心に回るよ、喝!(6)

ピーカンの日々、私の加工場の中は連日40℃オーバー。それでもひたすらパイナップルとマンゴーをむきむき、ジャムをぐつぐつ、ラベルはりはり。サウナのような室内で作業するのにちっとも痩せないのが悔しい限り。
 7月は新千歳空港で開催された石垣島フェアに「西表島コーナー」として参加させていただきました。新米やフルーツ、そして加工品などを携えて遠い北海道の地に初上陸。北の国で南の島は大人気です。連日たくさんのお客様が見え楽しい物産展を経験しました。しかしそこは北海道。「美味しいもの天国」です。舌の肥えたお客様の注目はパイナップルやマンゴーなどの南国果実…。自社の加工品は悪戦苦闘を強いられました。私は果樹農家ではないので事前に島内の農家などを回り、島の逸品を出品できるよう調整役にたいそうな時間をかけました。それでも果物が不作ということもあり、なかなかまとまらなくて悩みました。
 一業者が県外の物産展に行くのは結構な体力を使います。旅費や宿泊費だってそうですが、いない間の穴を埋めるのも大変。そんなことを考えると、とりまとめ役がいて、そこに全て委託という形がやりやすいのかなと感じます。実際自分も代わりに行く人がいて、商品を出すだけであれば夏の繁忙期でも対応できます。昨年沖縄県の事業で、東京で数回出店させていただきました。うち1回はマルシェスタイルで、週末に都会で開催される生産直売市。反応は上々、毎週末出店できれば固定客もついて売上も上がりそうだなと感じました。しかし、八重山から毎週東京へ行く?ことを考えると、おとなしく島に来る観光客相手の商売が堅気なのかもしれません。
 新石垣空港の開港まで7ヶ月、空港が大きくなるからと言って今の情勢では観光客の人数が大きく増えることもなさそうです。大事なのは熱烈な「やいまファン」を増やすこと。それはやはり、「八重山を出前する」しかないのかなって思うのです。事業立ち上げ当初からずっと言い続けていることですが、観光客が来る→商品を買うではなく、商品を買ってもらう(八重山外で)→ファンになる→八重山ってどんなとこ?→旅行に来てもらう、というお客様の「好奇心追跡」のプロセスを私は大事にしたいのです。足を伸ばすほど好きになった八重山の出会いのきっかけの商品を作っていけたらなって日々精進しています。そして少しずつ県外でのマルシェにも関わっていけたらと思い、島の若者に声をかけてみようかなと最近では考えています。

崎枝 百合香

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