ユッカヌヒー(旧暦五月四日)前夜祭に引き続き、梅雨明け宣言がなされた六月二三日、今年は、沖縄戦終結の慰霊の日と重なった。西表島の奥座敷と呼ばれる白浜港には、この日ばかりは、近隣の集落から続々と住民が集まり、白浜地区年一度の最大行事の海神祭が始まった。
開会の前には、今年の豊漁と海上安全を白浜神社に向かって祈願した。
御願バーリーの後、白浜地区東西対抗、近隣学校対抗、職域対抗、地区婦人会対抗、公民館対抗競漕が繰り広げられた。
観衆の関心ごとは、婦人対抗と公民館対抗で白浜地区が連覇を果たすか、それとも他地区に優勝旗が渡るのかに注目。プレッシャーをはね除け、地元白浜地区の婦人会が、見事三連勝。白浜公民館が二連覇の栄冠を手にした。今年は、台風四号の影響で思うように練習できなかったこともあって、婦人会の漕ぎ手に選ばれた選手十名の面々は、不安を隠しきれず、戦々恐々でレースに臨んだ。折り返しもほぼ互角のレース展開を見せたが、後続の祖納婦人会チームをさほど引き離すこともできずに船先一つの僅少タイム差優勝した。抱き合って涙を流して喜びあった。
大正年間に始まったとされる白浜地区伝統の海神祭。山神祭は、既に絶えたが、今なお地域行事として息づいている。