世界はやいまを中心に回るよ、喝!(3)

あっという間に今年も四半期を過ぎました。島ではテッポウユリが咲きはじめ、コッカローの鳴き声がそろそろ聞こえてくる季節です。テッポウユリといえば、伊江島。今頃島はゆり祭一色です…。
 私が久しぶりに伊江島に滞在した4月上旬はまだまだ蕾ばかりでした。伊江島は沖縄本島の本部半島から9kmの位置にある人口4600人あまりの島です。目立った観光資源は伊江島タッチューとも呼ばれる城山くらいしかない周囲22kmと小さな島ですが、最近県内では一番注目されている島でもあります。その理由は、活発な特産品発信と観光誘客の取り組みです。昨年は南大東島に次ぐ県産ラム酒の発売でメディアをにぎわせていましたね。
 私が伊江島のMさんと出会ったのは確か4年ほど前、彼の手がけた商品に心奪われ本人を訪ねていったということがきっかけでした。あれから伊江島にも5回ほど足を運び、イベントなどで一緒になるときも意見交換をし、色々と刺激を受けてきました。「島なのに、島らしくない」という私にとっては新しい売り方に感銘を受け、外(島外、県外)に出して売るにはそれなりの「お化粧」が必要なんだなと実感した時期でもあります。伊江島の色んなことを手がけるこのMさん、実は役場の職員だったりもするのです…。そこが一番驚いたのは言うまでもありません(笑)。
 ところで、伊江島には自前の食品加工センター・ラムを製造する蒸留所・製糖工場などの設備が揃っています。こんな小さな島に?というほどの備品もあり、話を聞くたびに驚いたものです。それに刺激を受け、3年ほど前、役所(竹富町)に相談を持ちかけたこともありました。理由は私個人が観光客の減少と人口流出のはじまりを実感していて「島で待つ売り方」、つまりは観光客ありきの販売に限界を感じ始めていたからでした。町を挙げて、パイナップルやマンゴーそして黒糖や野菜などの加工販売に着手し「外」へ発信し始める時期だと思ったのです。しかし、思ったとおり、お役所は「予算が無いから」「西表だけにやるわけにはいかないから」などの決まり文句で終了。そのときから私は地道に自前でそれらを実現していこうと作戦を練り始めたのでした。お金が無いからといのは簡単なことです。お金が無くてもやる気のある人さえいれば、何とかなるものです。事実伊江村と竹富町の一般会計予算を比較してみても住民一人当たりの差額は20万円ほどでした。  伊江島から得る刺激はすごいもので、毎回フルチャージして帰ってきてるように思います。今回は「西表ビーフのジャーキー」製造という目的もあり、春休み中のため子連れで1泊2日の滞在でした。伊江島をくまなく回り、伊江島タッチューから見下ろす景色で人間の小ささと自然の偉大さを再確認。これから数ヶ月かけて、西表ビーフジャーキーの完成を見守ろうと思います。
 繰り返すようですが、物事を動かすのはお金の前に「人」です。八重山は大急ぎで「人」を育てていかないと、いろんな歯車が狂い始めるような気がしてなりません。そう、次号のお話はこの「人」をテーマにしたいと思います。

崎枝 百合香

この記事をシェアする