2012年03月 月刊やいま
八重山を読むなら
「瑠璃の島」鳩間に生まれた著者が、鳩間島の多様な民俗を調査研究し、まとめた本。親戚・友人が実名で登場し、著者の体験や幼いころの回想による個人史的な面もあるが、祭祀や年中行事を忠実に再現しており、愛郷心に富んだ著者ならではの筆致で島の生活史を描いている。また、著者の研究成果である独自の見解が随所にみられ、八重山の伝統的な祭祀や年中行事を考える上で貴重な民俗誌となっている。
大城 公男