-音を体現する-
この言葉の如く、音楽を聴くだけでなく身をもって表現していく事をコンセプトとして2009年より始まったイベント「Core Dump」(今回は姉妹イベント「Rapper’s Daylight」との合同)。その第3回目が去った12月3日に市内美崎町のMega Hit Paradiseにて開催された。
今回は沖縄本島で主に活動し、坂本龍一等が発表した活動「stop-
rokkasho」 という青森県六ヶ所村の再処理工場に対してのプロジェクトへの参加や、FUJI ROCK FESTIVALや海外での公演といった経歴をもつカクマクシャカと、PADと言われる機器を操り指先で鋭角なビートを刻み、様々なラッパーやミュージシャンとのコラボ作品をリリースし、自らをフィンガードラマーと称するTEEZVAが参戦してくれた!
イベント冒頭から、DJによる奇抜でindustrialかつflexibleな音がSpinされ、Rapper勢によるrhythmicalなマイクリレーと続き、ゲストライブ一発目! カクマクシャカがマイクを握る。抜群のフロウで地元沖縄への強烈なメッセージを隙間なく連発し、その独特な空気感で会場を一気に掴んでいく。LIVEでは石垣島のRapperをフィーチャーするステージも魅せてくれた。そしてゲストライブ二発目! バックのスクリーンにTEE
ZVAの手元が映し出され軽快なdrummingによりスピーカーから爆音が会場の細部、オーディエンスの五臓六腑にまで響き渡り揺れだす、正しく「音を体現する」とはこういう事だと実感した瞬間だ! ライブ終盤にはTEEZVAのビートで、オープンマイクのフリースタイルバトルがRapper達により勃発! 各々が思いのままをRapに込め、熱いメッセージを吐き出していった。そこにカクマクシャカも入り、TEEZVA&カクマクシャカのこの日この場所でしか観れない凄まじいコラボが体験出来たのは今回1番の収穫だ!
ライブ後も地元DJ陣によるオリジナリティ溢れるplayあり、朝を迎える。しかし、イベントはこれで終わりではなかった!
明けた4日、イベントの興奮冷めやらぬ中、今度は市内飲食店「Ortega Junk Food」へ場所を移し、DJ機材の老舗「Vestax」による協力の元、同社の「PAD-One」を使い、TEEZVAによる離島では初めてのDTM(デスクトップミュージック)ワークショップが開催されたのだ(この事はVestax社のホームページでも取り上げられている)。深夜のLIVEの疲れ等微塵もないヘッズたちが徐々に集まり、TEEZVAからほとんどマンツーマン状態での指導を受け、これまで聴くだけだった音楽から、今度は作り出すものに変わっていく感動を体感していったのだった。
この2日間に渡って開催されたイベントは、多くの人へ自らの可能性を考えさせてくれるものだった事に違いないと思っている。Live中のステージに向ける目、ワークショップでのTEEZVAの講演に集中させる耳、その両方が昨日までとは違っていたからだ。