十二月種子取祭

十二月種子取祭
十二月種子取祭

八十年ぶりの十二月開催となった今年の種取祭。十二月一日と二日に世持御嶽神前で今年の豊年の感謝と来夏世の豊年への祈りが執り行われた。一日目は玻座間集落の神事であり、二日目は仲筋集落の神事である。日程の取り方は、多良間島八月踊りと酷似で演目の多彩さも瞠目するばかり。ものであった。結婚式や舞踊研究所の発表会でよく見かける芸ではなく、ひと味もふた味も違う芸能を見ることができた。正に伝統芸能の本場、本物であった。
 なかでも各集落の狂言(キョンギン)や組踊りは、素人の域を超えて、毎年繰り返される年輪の蓄積を否が応でも感じざるを得なかった。日頃つきあいのある友人知人達が、見事に変身し、すっかり芸人になっている姿に驚愕したものでした。
祭では、人が神になり、芸人に変容することをあらためて確認することができるのである。
かつての琉球王国時代の在番役人達の楽しみであった八重山古来の祭。演目の口上や台詞は、首里方言が多用され、ウチナーグチの理解なしには、皆目ストリーが分からない面もあるが、芸人の動作や観客の哄笑等でも、結構理解を助けてくれるものである。
 組踊りのバックミュージック、三線の音曲とその歌詞の背景には、胸打たれるものがあった。
今回の二日間に亘る竹富島種子取祭の見学。伝統芸能の真髄を見る思いがした。
これまで伝統芸能を継承し、次世代に引き継いで行こうとする「うつぐみ」の心意気に感銘した。
 竹富島の皆さん。郷友会員、並びに官権者の皆さん。感動を共有できてありがとうございます
庭の芸と言われる男衆のンーマヌシャや女衆のマミドーやジッチュにウディボー、いずれの演技も洗練された見事な一糸乱れぬ所作が展開されて、観る人を唸らせる

加勢本 曙

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