1970年に建てられた消防庁舎。建物の老朽化が激しく、新空港開港後に現空港跡地に移転するまでの間、産業道路沿いに仮移転する。美崎町の庁舎は年度内に取り壊しが決まっている。歴史のある庁舎での勤務も残り数日となった消防署のお昼ごはんにおじゃましました。 正午前後になると、次々に食堂に集まってくる消防士のみなさん。お昼ごはんは、買ったお弁当や手作りのお弁当、ラーメンなど様々。夜勤もあるので、お昼は買ったお弁当にして、夕ご飯に愛妻弁当を食べるという人も。台所があり、簡単な調理もできるようになっている。夜は大きな鍋でカレーやそばを作って、みんなで食べることもあるという。和気あいあいとした雰囲気でとても楽しそうだ。
消防士さんたちは、24時間勤務の交代制。学生寮のような仮眠室で夜間も常時8名は待機し、非常ベルが鳴れば飛び起きて出動する。出動回数は多い日も少ない日もあるが、非常時に備えて普段から様々な訓練をしている。また、救命講習や学校の避難訓練指導なども行っている。消防署のシンボルとも言える望楼。特別に上まで登らせていただくと、最上階は7~8階ぐらいの高さがあり、眺めもいい。この庁舎ができたばかりの頃は、周辺に高い建物はなく、広い範囲が見渡せたという。当時はここから目視で火事を見つけるための『望楼勤務』があったそうだが、電話が普及してからは廃止された。
41年前から街の安全を守り続けてきた消防署。署内には、当初から使われている島内図など歴史を感じるものがたくさんある。古くて味のある雰囲気だが、もし大きな地震が来て庁舎が倒壊したら、1階に駐車してある車両が出動できなくなってしまう。消防士さんは「地震が来るたびに壊れないかとびくびくしていたところがあったので、移れることになってよかったです。愛着のある庁舎を離れるのは寂しい気持ちもあるけど、市民の安全のためです」と話す。
見慣れた消防署がなくなってしまうのは寂しいけれど、仮庁舎に移っても頑張って下さい!