竹富島の玻座間御嶽の西隣で遭遇したフクギ(オトギリソウ科)です。胸高の幹回り2メートル40センチ、樹高約10メートルの巨木です。
今回の巨木フクギは、映像や写真等でよく紹介されるマダガスカル島のバオバブの木を連想させる樹形です。平凡社の『日本野生植物 木本 Ⅰ』によれば「フクギは、
常緑の雌雄異株(しゆういしゅ)の小・中高木で、フィリピンが原産とされるが台湾(本島南部・蘭嶼)にも野生し、石垣島や西表島
のものの一部は、真の野生かも知れない。」と掲載されています。
ところで、各地の御嶽やその周辺でよく遭遇する巨木です。それは、早くから聖域での伐採がタブー視されてきた結果です。そのため、フクギを含めタブノキ(クスノキ科)、クワノハエノキ(ニレ科)、テリハボク(オトギリソウ科)、ガジュマル(クワ科)等々の巨樹・巨木がよく観察されます。
写真は、10数年前に同聖域で遭遇した巨木フクギです。前述したように、彼のバオバブ風に垂直で丸っこい太い幹が足を止めました。去る9月、やいまーる広場用にと再訪しましたが、あまり変化のない樹形です。やはり、フクギは成長の遅い樹種のようです。樹齢は推測ですが、優に100年は超えているかも知れません。
年に一度、竹富島最大の神行事・種子取祭でにぎわう玻座間御嶽周辺です。今年は12月1日・2日(木・金)が奉納芸能です。